5月27日に開幕した国内のトップ選手が集う2023日本ランキングサーキット(埼玉・サイデン化学アリーナ)。勢いある若手やベテラン選手らが活躍する大会3日目の29日は各種目準々決勝が行なわれ、ベスト4が出そろった。ここでは女子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【女子ダブルス】
昨年優勝の第1シード、大竹望月(上写真・左)/髙橋美優(BIPROGY)が好調だ。準々決勝の相手は、高校卒1年目の石川心菜/古根川美桜(NTT東日本)。青森山田高卒の石川は、大竹と髙橋の後輩にあたる。思いきり挑んでくる後輩を、先輩ペアは攻撃でもレシーブでも上回った。浅い位置からのスマッシュも、ネット前からのプッシュも跳ね返し、レシーブから攻撃に転じて点を奪っていく。打っても打っても決まらない中、最後まで食らいついた石川/古根川。第2ゲームは大差をつけられたが、リベンジの機会はきっとある。
4試合中、唯一のファイナルゲームを制したのは、毛利未佳(上写真・右)/今井優歩(七十七銀行/YAMATO奈良)。混合ダブルスB代表同士が組む佐藤杏/佐藤灯(レゾナック)との戦いは、第1ゲームを21-16で毛利/今井が先制。今井のジャンプスマッシュなど、持ち味の攻撃力が冴え渡った。第2ゲームは、混合ダブルスで鍛えた前へのスピードを生かした佐藤杏/佐藤灯が奪い返し、ファイナルゲームは佐藤杏/佐藤灯がリードする展開で進む。しかし、攻め続ける毛利/今井が中盤に逆転。21-20で迎えたマッチポイントは、今井がラウンドから渾身のジャンプスマッシュを決めてゲームオーバー。所属先の違う2人のペアが、高校時代からペアを組む大竹/髙橋に挑む。
高校生で唯一ベスト8に残っていた、青森山田高の清瀬璃子/藤井史穂。その挑戦が終わった。川添麻依子(上写真・右)/小西春七(丸杉)に対し、第1ゲームはドライブレシーブでラリーを作り、互角の勝負を展開。しかし、最後は長身の川添にスマッシュを打ち込まれるなどして、22-24で奪われた。第2ゲームに入ると、川添/小西が大きくシャトルを回して青森山田ペアを追い込み、次々とラリーを奪う。第2ゲームは21-10で川添/小西が制し、準決勝進出を決めた。負けはしたが、これからインターハイ予選、本戦という大勝負を迎える青森山田ペア。ここで得た経験は、チームの財産となるはずだ。
川添/小西と準決勝で対戦するのは、保原彩夏(上写真・右)/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO)。サウスポーの保原と、混合ダブルスでもベスト4に残る174センチの水津。日本B代表ペアが、攻撃力が武器の矢﨑月子/内山真希(丸杉)に対し、21-18、21-14と確実に勝利。最後はネット前に上がったシャトルを、保原がクロスに払って相手コートにポトリ。相手の届かない位置に、冷静に落としてみせた。優勝まであと2つ。いい雰囲気で、まずは準決勝に臨む。
▼準々決勝(5月29日)
大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)②〔21-17、21-12〕0●石川心菜/古根川美桜(NTT東日本)
毛利未佳/今井優歩(七十七銀行/YAMATO奈良)②〔21-16、18-21、22-20〕1●佐藤杏/佐藤灯(レゾナック)
保原彩夏/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO)②〔21-18、21-14〕0●矢﨑月子/内山真希(丸杉)
川添麻依子/小西春七(丸杉)②〔24-22 、21-10〕0●清瀬璃子/藤井史穂(青森山田高)
▼準決勝(5月30日)
大竹望月/髙橋美優(BIPROGY) − 毛利未佳/今井優歩(七十七銀行/YAMATO奈良)
保原彩夏/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO) − 川添麻依子/小西春七(丸杉)
取材・文/平田美穂
写真/菅原淳