春の高校日本一を決める「第51回全国高校選抜」は、3月27日に大会3日目を迎え、岩手県花巻市総合体育館で男女個人戦が行なわれた。ここでは、女子シングルスと女子ダブルスの熱戦をダイジェストでお伝えする。
【女子ダブルス】
ダブルスは、今年の日本B代表に選出された須藤海妃(上写真・左)/山北奈緒(ふたば未来学園/福島)や、昨年の全日本ジュニア4強で第2シードの原菜那子/玉木亜弥(四天王寺/大阪)が順当に準決勝に進出した。
四天王寺の原/玉木は、前日の団体戦・準々決勝で戦った作新学院(栃木)とのエースペア対決で完敗。原が「昨日の団体戦から気持ちの切り替えができずに挑んでしまった」と振り返った1回戦は、ファイナルゲーム19本で勝利する苦しいスタートだった。しかし、徐々にリズムを取り戻すと、2回戦と準々決勝は2-0で勝利。攻撃的なレシーブに手応えをつかんだ玉木は「明日は最初から自分たちが攻撃できるように全力でいきたい」と意気込みを語った。
このほか、準決勝には青森山田(青森)の2ペアがベスト4入りを果たした。団体戦でもエースダブルスとして起用された清瀬璃子/平本梨々花は、準々決勝で対戦した作新学院の遠藤美羽/鈴木優芽亜を2-0のストレートで退けて準決勝へ。平本はシングルスでも8強入りを決めており、2種目で頂点に挑むことになるが、3月に出場したオランダジュニアの女子ダブルスで優勝した経験が生きている面もあり「ダブルスでは絶対に優勝したい。今日は自分がミスを立て続けにしてしまった。連続しないように気をつけたい」と最重要種目に挙げてタイトル奪取を誓った。優勝候補の須藤/山北と対戦する髙野来蒔/藤井史穂とともに準決勝を突破すれば、決勝で青森山田対決が実現する。
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【女子シングルス】
シングルスは、8強が出そろった。昨年の全日本ジュニアで同時優勝となった第1シードの遠藤美羽(作新学院/栃木/上写真)と、第2シードで世界ジュニア女王の宮崎友花(柳井商工/山口)は、順当に2試合をストレート勝ち。今大会は単複2種目で最終日に残った選手が多く、連戦でどこまでパフォーマンスを保てるかが大きなポイントになりそうだ。
その中でも、山北奈(ふたば未来学園/福島/上写真)は、団体戦でも2種目掛け持ちで2日目までに7試合を消化。3日目もダブルスで3試合を戦った後のシングルスとなり、初戦の第1ゲームを落とすなど疲労の色を隠せなかったが、チームスローガンの「Mind Over Body」を体現。砂川温香(柳井商工/山口)との2回戦では、20-17から追いつかれた第2ゲームが激闘となったが、最後はカウンタードライブをたたきこみ、28-26で熱戦に終止符を打った。最高のパフォーマンスが出せる状態にはないが「2種目とも目標は優勝」と断言。ダブルスを組む須藤も、単複で最終日に残り「疲れはあるかもしれないけど、やるしかない。選抜は今年で最後の挑戦。ダブルスは優勝したい」とタフに乗り切る覚悟を示した。
そのほか、小原未空(埼玉栄/埼玉)は、小学4年以来となる全国8強入り。「チームの仲間が応援やサポートをしてくれたので、恩返しをしようと気持ちが入りやすかった。明日も気持ちを切らさずに優勝を狙って頑張りたい」と躍進に意欲を見せた。
最終日の28日は、ダブルスは準決勝から、シングルスは準々決勝からスタート。個人種目で春の栄冠に輝くのは、果たして誰か−−。
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★28日の対戦カード
【女子ダブルス】
▼準決勝
須藤海妃/山北奈緖(ふたば未来学園・福島)− 髙野来蒔/藤井史穂(青森山田・青森)
清瀬璃子/平本梨々菜(青森山田・青森)− 原菜那子/玉木亜弥(四天王寺・大阪)
【女子シングルス】
▼準々決勝
遠藤美羽(作新学院・栃木)− 今泉明日香(佐賀女子・佐賀)
玉木亜弥(四天王寺・大坂)− 山北奈緖(ふたば未来学園・福島)
平本梨々菜(青森山田・青森)− 小原未空(埼玉栄・埼玉)
須藤海妃(ふたば未来学園・福島)− 宮崎友花(柳井商工・山口)
取材・文/平野貴也
写真/川口洋邦
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川口洋邦