春の高校日本一を決める「第51回全国高校選抜」は、3月26日に大会2日目を迎え、岩手県花巻市総合体育館で男女団体戦の準々決勝から決勝までが行なわれた。ここでは、柳井商工(山口)が3連覇を達成した女子団体のダイジェストを伝える。
【女子団体ダイジェスト】
準々決勝も準決勝も、決勝進出チームの勝負強さが光った。準々決勝では、ふたば未来学園(福島)が3-1で埼玉栄(埼玉)に勝利。ふたば未来はダブルス2本を先取したが、第1シングルスの1年生対決に敗れ、最後は、第2、3シングルスが2面同時に進行する中、主将の山北奈緒がファイナルゲームの末に上野凛を退けた。この時点で打ち切りとなった第3シングルスの須藤海妃は、ファイナルゲームの序盤を1-4とリードされている状況。埼玉栄の反撃を抑え込んだ。
準決勝では、柳井商工が3-1で青森山田(青森)に勝利を飾った。田口真彩/宮崎友花の第2ダブルス起用は、ねらいが外れて青森山田のエース清瀬璃子/平本梨々菜との対戦になったが、21-18、21-19で勝利。結果的に相手の思惑を崩すことができた。柳井商工は第1ダブルスが敗れた後、第1、2シングルスは、どちらも勝ったがファイナルゲームの接戦。勝負所となったエースダブルス対決の勝利が大きかった。
決勝戦は、昨年に続き柳井商工とふたば未来が激突。柳井商工はエースの田口/宮崎を第2ダブルスに起用して勝利をつかむ。第1ダブルスは敗れたが、吾妻佳奈/佐藤加奈子が53分をかけてふたば未来エースの山北奈/須藤のスタミナを削り取った。
第1シングルスの1年生対決も、1時間超えの激闘。柳井商工の砂川温香がファイナルゲームを15-14としたところで、ふたば未来の秋田まなが左ヒザを負傷。以降は片足に重心を乗せられない秋田に対し、砂川が21-16で押し切った。
第2、3シングルスは、ふたば未来学園の山北奈と須藤が、回復する時間がほとんどないまま出場。主将の山北奈が勝利して意地を見せたが、第3シングルスは、柳井商工が誇る世界ジュニア女王の宮崎が、2-0で須藤に勝利。第2ゲームは17-14からねばりを見せる須藤に逆転を許したが、勝負所を制して23-21。仲間が駆け寄る姿を見た宮崎は、喜びとプレッシャーからの解放で落涙。エースが責任をしっかり果たした柳井商工が、選抜の団体3連覇を達成。インターハイを含めれば、団体戦5季連続優勝の快挙を成し遂げた。
【優勝コメント】
竹光唯至監督「選手が期待に応えてくれたことがうれしかったです。初日から7人全員を起用しながら、一人ひとりが試合毎に成長したことが勝因。主将の田口は、チームの精神的な柱。リハビリをしながらも頑張っていた姿を他の選手も見ていて、田口のために頑張ろうと思えたのも、チームが一丸になれた一つの要因かなと思います」
田口真彩主将「大会3連覇と全国5連覇は、本当にうれしいです。優勝できるか不安だったので、すごく安心しました。今大会は7人全員起用で一戦一戦、全力で戦いましたし、自分が(12月の手術やリハビリで)いない中で練習が大変だったと思うけど、チームのために一人ひとりが頑張ってくれて、みんなにありがとうと伝えたい。夏のインターハイに向けて、もっとチームの伝統を受け継いで、もう1回主役になれるチームにしていきたいと思います」
▼準々決勝
柳井商工(山口)3−0 開志国際(新潟)
青森山田(青森)3−0 高松商(高知)
作新学院(栃木)3−1 四天王寺(大阪)
ふたば未来学園(福島)3−1 埼玉栄(埼玉)
▼準決勝
柳井商工3−1 青森山田
ふたば未来学園3−0 作新学院
▼決勝
柳井商工 3−2 ふたば未来学園
吾妻佳奈/佐藤加奈子●0〔19−21、16−21〕②山北奈緖/須藤海妃
田口真彩/宮崎友花②〔21−6、21−17〕0●堀小雪/山北眞緖
砂川温香②〔21−8、21−23、21−16〕1●秋田まな
長廻優茉●0〔14−21、14−21〕②山北奈緖
宮崎友花②〔21−15、23−21〕0●須藤海妃
取材・文/平野貴也
写真/川口洋邦
【大会レポート】
2日目の男子ダイジェストはこちら
初日の男子ダイジェストはこちら
初日の女子ダイジェストはこちら
【大会フォトギャラリー】
【組み合わせ&結果】
男子団体の出場校一覧&名鑑はこちら
※女子団体の出場校一覧&名鑑はこちら