ヨネックスの新プロジェクト『ドリームプロジェクト supported by YONEX』が、3月4日に高知県高知市のくろしおアリーナ、同5日には岡山県倉敷市の倉敷体育館で開催された。このイベントは、トッププレーヤーのプレーを見ることが少ない地域のジュニアに、トップレベルにふれる機会を与え、日本全国の草の根からバドミントンの普及や発展をめざしていくプロジェクト。高知会場では106人、岡山会場では92人のジュニアが参加し、実業団選手によるエキシビションマッチや講習会、実業団選手に挑戦するチャレンジマッチなどで大いに盛り上がった。
2022年は東京で世界選手権、大阪でダイハツ・ヨネックスジャパンオープンが開催され、日本のバドミントンファンは日本代表の活躍や世界トップレベルのプレーに大いに沸いた。また、11月からは実業団のトップリーグであるS/Jリーグが3年ぶりに通常開催され、2月に行なわれたTOP4トーナメント&順位決定戦まで、北は北海道から南は熊本まで20会場で、熱戦が繰り広げられた。しかし、国際大会やS/Jリーグが開催される地域というのはごく一部で、日本全国にはトップレベルのバドミントンにふれる機会がないという子どもたちも多い。
『ドリームプロジェクト supported by YONEX』は、日本全国のさまざまな地域の子どもたちに、トップレベルにふれる機会をもってもらうことで、夢と感動を与え、バドミントンの魅力をあらためて実感してもらおうというもの。プロジェクトのスタートとして、まずはS/Jリーグが開催されていない高知県、近年開催されていない岡山県でのイベント実施となった。
両日は、現役時代に日本代表で活躍したヨネックスの山田和司監督代行や東京オリンピック出場の嘉村健士コーチ、ヨネックスの現役選手のほか、開催地周辺の実業団選手たちがエキシビションマッチや講習会を行なった。高知会場は隣県である香川の百十四銀行、岡山会場は大阪を拠点とするPLENTY GLOBAL LINXの選手が参加。そこには、「身近な場所で活動する社会人選手たちと交流することで、お互いが応援し、応援されるいい関係をつくり、地域のバドミントンを活性化していきたい」という、このプロジェクトを進めるヨネックスの思いが込められている。
エキシビションマッチを見た子どもたちは「あの選手がかっこよかった」とお気に入りの選手を見つけ、チャレンジマッチや講習会では、その憧れの存在と実際にシャトルを交わした。約4時間のイベントを終えたジュニアたちは、「今日は最高の一日だった」と、喜びに声を弾ませた。
ヨネックスは、今後も各地の関連協会やスポーツショップ、実業団チームと連携しながら、こうしたイベントを開催していく予定としている。各地の子どもたちがトップレベルにふれることで芽生えた夢は、やがて日本のバドミントン界にさらなる大きな夢をもたらすかもしれない。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/梅原沙織(高知会場)、太田裕史(岡山会場)