2023年の年明けからワールドツアーに参戦していた日本代表が1月30日に帰国。3大会を終え、インドネシアから帰国した日本代表選手が成田空港で取材に対応した。
下記は、3週目のインドネシアマスターズ(1月24日~29日/Super500)で準優勝した福島由紀/廣田彩花のコメント。
福島由紀(右)&廣田彩花
――3大会を通しての収穫と課題を教えてください
福島 個々としてもプレー面でよくないところが多くて、かみ合っていないところも多かったのですが、(準優勝した3週目の)インドネシアマスターズは、自分らしいプレー、フクヒロらしいプレーが出せたのではないかと思うので、そこはよかったと思います。
――3週目に向けて、どう切り替えましたか
廣田 1、2週目はいいパフォーマンスができなかったのですが、気持ちの面でしっかり切り替えて、勝っても負けても自分たちのパフォーマンスを出して終わりたいと思っていました。気持ちの切り替えはうまくできたのではないかと思います。
――全日本総合のときに、廣田選手は「過去の(東京五輪直前に負った右ヒザのケガをする前の)自分を追い求めるより、今できることを模索中」と話していた。今大会でできたことは
廣田 ケガをする前の自分と比べることをしてしまう部分はありますが、そこばかりを見てしまってもマイナスになるだけなので、今できることをやった結果、準優勝という結果が出た。プレー面でディフェンスでは、自分の中で通用する部分、しない部分を見つけられたので、それはよかったというか収穫なのかなと思います。
――以前は、攻撃面で素早いローテーションを武器としていたイメージですが、変わってきていますか?
福島 以前は若さと勢いがあったと思いますが、経験と年齢もあって、シフトチェンジじゃないですけど、行くところと行かないところをハッキリ変えるようにしています。ケガ明けの廣田が動かされることも多いので、スピード感を出すことが難しい部分もある。そういう意味では、使い分けるようになりました。
廣田 自分が後ろで振られることが多くなってきて、以前のようなスピードのあるローテーションをなかなかさせてくれないようになっている。自分が後衛でも我慢しながら組み立てて、福島先輩の前衛に捕まえてもらうというのも今は大事なのかなと思っています。ローテーションをさせてもらえなくても(できないなりの)自分たちの形を、今はやっているところです。
――1、2週目のパフォーマンスが低かった理由は?
福島 特に2人としてかみ合っていない部分が多く、気持ちも上がっていなかった部分はあったかなと思います。
廣田 自分も同じで、なかなかモチベーションがうまくかみ合っていないというか。身体面の準備はできていたのですが、心の準備というか、気持ちの持ち方、試合に対する気持ちのもっていき方ができていなかったのかなと思います。
――2週間悔しい思いをした分を3週目にぶつけた?
福島 勝っても負けても、もうちょっと自分たちらしいプレー、個人的にも自分らしいプレーを出したいと思っていたので、そこは切り替えて入りました。
――インドネシアマスターズの準決勝、決勝は、守備から立て直す部分がよかったのでは
廣田 インドネシアでは本当にディフェンスがよかったと思いますし、リードされても諦めずにやって追いついて、準決勝は(第2ゲームで5-12から)逆転というところにつながったと思う。ディフェンスで大きい展開をして、そこから組み立てることができていたのがよかったかなと思います。
――先ほど福島選手が話した「シフトチェンジ」というのは、いつごろから考えてきたのか
福島 相手の作戦が廣田に球を回して来ることが本当に多くなったので、そこで、自分たちもスピードを出していきたいけどいけないというところが、モヤモヤしていたところもあり、それなら行くところと行かないところをハッキリさせようと。完全に(めざすプレースタイルを)変えたわけではないのですが、状況に応じて対応している感じです。
――めざす理想形が変わった?
福島 理想としては勢いやスピード感で、リズムよくパンパンパンと(速いテンポのラリーから)決めれるのが理想ですけど、海外の選手も我慢するようになっている分、ラリーも長くなってきていると思う。スピードばかり求めてもというところもありますし、年齢と経験を重ねて違う戦い方はプラスしていきたいし、できるとも思うので、経験を生かしながらやっていければ。
――これからプラスしていきたいのは?
福島 今回のインドネシアマスターズのようなプレーができれば、全体を通して戦えると思うので、今回のような戦いができればいいなと思います。
――廣田選手は、ケガをする前と比べて、感覚は違う?
廣田 違うと感じる部分はあります。怖さはほぼないですけど、ちょっとしたところで前とは違う感覚ではあるなと思います。でも、スピードに対応する、反射神経のところは、反復してやれば戻るところだと思っています。
取材・文/平野貴也