4年に一度、アジアの頂点を決めるアジア大会(中国・杭州)バドミントン競技は、9月30日に男子団体戦の準決勝が行なわれた。2018年ジャカルタ大会で銅メダルの日本男子は、地元中国に1-3で敗れ、2大会連続銅メダルに終わった。
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日本は、ケガを抱えるシングルスの奈良岡功大を欠くオーダー。第1シングルスは、西本拳太が石宇奇(シー・ユーチー)と対戦。第1ゲームは相手の強打に押されて10本で失ったが、第2ゲーム以降は、柔らかくネット前に落とすスマッシュレシーブで形勢逆転に成功。第2ゲームを16本、ファイナルゲームを14本で奪い、逆転勝利を収めた。
西本(上写真)は「打たれるのではなく、打たせてカウンターというイメージでプレーできた。奈良岡(功大)選手や桃田(賢斗)選手の試合を見て、ちょっと勉強して、頭に入れてやりました」と手応えを語った。ファイナルゲームは体力切れで何度も追い上げられたが、リードをキープ。相手エースを破り、チームに勢いをもたらした。
第1ダブルスは、保木卓朗(上写真・左)/小林優吾が出場。王昶(ワン・チャン)/梁偉鏗(リャン・ウェイカン)相手に攻め合うスピーディーな試合を展開した。第1ゲームは20オールに追いつき、先にゲームポイントを握ったが、21-23で振り切られた。第2ゲームも20オールに追いつく展開だったが、22-24。どちらに転んでもおかしくない2つのゲームをどちらも相手に奪われ、まったく互角の展開でありながら0-2の敗戦という悔しい結果に終わった。
保木は「どっちに転ぶかわからなかったけど、そこを勝ちきれなかったのが、今の自分たちの実力。相手の梁偉鏗選手のスマッシュは、世界でトップクラスに速い。一回でかわしていければよかったが、王昶選手の前衛も速かった。そこにも捕まらないようにと考えたが、最後はハマってしまった。そこが今日の勝敗を分けたのかなと思う」と紙一重の攻防を振り返った。
1-1に戻されて臨んだ第2シングルスは、常山幹太(上写真)が出場。今年の全英OP王者の李詩灃(リ・シフェン)を相手に第1ゲーム中盤の15オールまでは競っていたが、先にスピードを上げた相手に16-21で振り切られた。第2ゲームは、打たされても決めきれない状況から、攻め急ぎによるミスと相手のカウンターで何度も連続失点を重ねる形となり、10本で敗れた。突破口を見つけられず「自分が我慢しきれなかった。点数が離れると、点数がほしくて決めにいってしまう。同じようにラリーを続けようとは思っているのですが。それができる人が、やっぱり強い選手。それができない人は多分弱い選手。それができていないということは、僕はまだまだ弱い選手ということ」と肩を落とした。
1-2と逆転され、負ければチーム敗退が決定する第2ダブルスは、古賀輝(上写真・右)/齋藤太一。劉雨辰(リュウ・ユチェン)/欧烜屹(オウ・シュァンイ)の長身ペアを相手に、第1ゲームは7-13とリードされたが、レシーブからの逆襲、サービス周りからのドライブ戦で終盤に連続得点を重ねて21-15とひっくり返して先取に成功した。しかし、第2ゲームから相手がレシーブ主体のスタイルに切り替えると、なかなか決まらない攻撃の攻め疲れを突いた反撃を受けて試合のペースを失った。ねばりを見せて大きなリードはさせないものの14-21、第3ゲームも17-21で振り切られた。
この結果、日本は中国に1-3で敗れ、第3シングルスの渡邉航貴に出番を回すことなく試合は終了。準決勝敗退となり、2大会連続の銅メダルとなった。古賀は「最低限、メダルを取れたのは良かったが、金メダルをめざしていたので悔しい」と満足はせず。齋藤も「日本代表として団体戦で戦わせてもらって、メダルを取れたことはうれしいけど、自分たちで負けを決めてしまった。2-2にして次に回して、明日の決勝戦に挑みたかった」と夢破れた悔しさを言葉にした。
日本は、男女ともに団体戦で銅メダルを獲得。10月2日から始まる個人戦にも多くの選手が出場する。
【男子団体】
▼準決勝(9月30日)
日本 1-3 中国
MS1 西本拳太②〔10−21、21−16、21−14〕1●石宇奇82分
MD1 保木卓朗/小林優吾●0〔21−23、23−25〕②王昶/梁偉鏗57分
MS2 常山幹太●0〔16−21、10−21〕②李詩灃59分
MD2 古賀輝/齋藤太一●1〔21−15、14−21、17−21〕②劉雨辰/欧烜屹73分
インド 3−2 韓国
▼決勝(10月1日)
中国 – インド
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO