12月30日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
【男子ダブルス】
日本A代表の保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)と、竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)による決勝戦。どちらが勝っても初優勝という対決は、世界ランク2位の保木/小林がストレート勝って頂点に立った。
保木/小林(上写真・右)は、保木が前衛、サウスポーの小林が後衛。竹内/松居は、長身の竹内が後衛、松居が前衛。どちらも役割が比較的はっきりしているペアだ。理想はともに、後衛がチャンスをつくり、前衛が仕留める形。相手にはそうさせないようにと、シャトルを回していく。
試合序盤から流れをつかんだのは、全日本総合準優勝3回の保木/小林。シャトルを沈めてチャンスをつくり、小林の強烈なスマッシュで得点を奪っていく。過去最高成績がベスト8という竹内/松居は、緊張からかミスを重ねて波に乗れず。得意の大きな展開にしたいところだが、保木/小林は竹内をバック奥に押し込み、強烈なジャンプスマッシュを打たせない。保木/小林が中盤から連続5得点で一気に18-11。21-15で第1ゲームを奪った。
第2ゲームに入っても、前へ前へを貫く保木/小林。小林がスマッシュ、保木がネット前で仕留める最高の形で得点を奪う。レシーブに回った場面でも、前衛の松居にさわらせず、後衛の竹内を振り回す。竹内/松居は我慢しきれず、自分たちのミスでラリーを切ってしまうのが痛かった。7-7から保木/小林が連続7得点で、一気に14-7。その後も得点を重ね、竹内のサービスミスで20-13とマッチポイント。1本しのがれたが、最後は小林がスマッシュ、保木が松居のボディにプッシュを打ち込みゲームオーバー。最高の形で試合を終わらせ、拳を握って絶叫した2人は、ホッとしたような笑顔になって抱き合った。
終わってみれば、全試合2-0での完全優勝。それでも試合後のコートでのインタビューでは、プレッシャーを感じていたことを明かした。重圧を乗り越えてつかんだ日本一の称号。自信と誇りを胸に、パリ五輪レースへと羽ばたいていく。
▼決勝(12月30日)
保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)②〔21-15、21-14〕0●竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO