日本一を決める「第76回全日本総合選手権」が、12月25日に開幕。東京・武蔵野の森総合スポーツプラザを舞台に熱戦が展開されている。大会最終日の30日は、各種目決勝戦を実施。ここでは熱戦を繰り広げた選手たちのコメントを紹介する。
【男子シングルス】
準優勝
西本拳太
(ジェイテクト)
――決勝を振り返って
A代表同士で決勝を戦え、プライドを持ってできたと思います。(内容は)正直、自分として悪いとは思っていませんが、桃田(賢斗)選手の動きや、一つひとつの精度が今までとは違いました。今日は相手がシンプルに僕より強かったと思います。
――どんな入り方を考えたか
自分なりの作戦は立てて、入り方も悪くはなかったと思うんですけど、想像以上に桃田選手のプレーがよかった。その言葉に尽きます。
――相手のどこが上回っていたか
風が少しあったけど、どちらのコートに入っても、ロビングの精度がよく、以前よりも攻撃的なスタイルもまぜてきた。試合の中での勝負勘がピカ一でした。それが負けにつながったと思いますが、そういうところを肌で感じられたので、僕も盗んで次に自分のものにしていきたいです。
――強い桃田選手が帰ってくるのと、そうでない桃田選手と戦うのと、どちらがいいか
難しいですね(笑)。強い桃田選手であろうと、以前の勝っていないころの桃田選手であろうと、自分が勝ちにいく、自分が勝てるならどちらでもいいかなと感じるので、どんな桃田選手であっても最善を尽くすことかなと思っています。
――決勝は西本選手自身もいいラリーをしていた
そうですね、いいラリーもありましたけど、点数を取れないと意味がないので(笑)。でも、一つひとつのショットに歓声が沸くのはやっぱり気持ちがよかったですし、入場も含め、僕らの対戦を楽しみにしてくださるファンの方がいたと思います。ファンの方々によりいい試合を見せられるよう、これからも準備していきたいです。
――来年は五輪レースも始まる
日本人同士の戦いになることもあると思いますけど、海外の選手も含め、勝ちにこだわって、どうしたら勝利をもぎ取れるかを細かく考えたい。戦術の面も気持ちの面も成長して、パリオリンピックに向けて進んでいきたいと思います。
――前回の五輪は、出場を逃し悔しい思いもあった
前回のオリンピックレースは、いろんな面で甘かったと感じています。細かいことまでこだわって自分が強い気持ちを持って、パリは俺がやるんだという気持ちで挑みたいと思います。
――決勝は28歳の2人の戦い。若手に求めるものはあるか
僕らもベテランですね(笑)。えらそうなことは言えないですけど、若手に対してまだまだ負けるつもりはないですし、譲るつもりもありません。僕らが若い時にも、先輩方にどうやって勝つかを考えながらやっていました。桃田選手はその時からトップにいましたが、そういう存在がいたから僕も頑張れたので、今の若い選手にも、同年代の選手ともっとガチガチやってほしい。
例えば、髙橋(洸士)選手だったり秦野(陸)選手だったりが、奈良岡(功大)選手に対して「無理かな、やっぱりうまいな」と思う気持ちが感じ取れる部分もあるので、本気で勝ちにいくという気持ちを持ってやってほしいなと思います。僕らはベテランですけど、ベテランなりに精いっぱい頑張って進んでいきたいと思います。
取材・構成/江國晴子、バドミントン・マガジン編集部