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「気持ちの強い方が勝つ。しんどくても一歩でも多く出した方が勝つと思っていた」(桃田賢斗) 全日本総合バドミントン2022 30日・決勝/選手コメント5

日本一を決める「76回全日本総合選手権」が、12月25日に開幕。東京・武蔵野の森総合スポーツプラザを舞台に熱戦が展開されている。大会最終日の30日は、各種目決勝戦を実施。ここでは熱戦を繰り広げた選手たちのコメントを紹介する。

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【男子シングルス】

優勝
桃田賢斗(NTT東日本)

――試合を振り返って

僕も西本(拳太/ジェイテクト)も迎え撃つ側で、精神的にも肉体的にも疲労がたまっていたなかでの決勝戦。気持ちの強い方が勝つ、しんどくても一歩でも多く出した方が勝つと思っていたので、2ゲーム目中盤あたりから攻めの姿勢を貫いたのが、勝ちにつながったと思います。

――試合後にこの1年つらい時期が多かったと。あらためて今年を振り返って

「ワールドツアーに出させていただいた時に、1回戦負けがすごく多かったのと、国別対抗の団体戦でまったく仕事ができず、チームのみんなに迷惑をかけて、自分は何をやっているんだろうと思い続けた1年間だったかなと思います」

――スマッシュレシーブが戻るかどうか(が大事)という話だったが、ロブなどその一つ前の部分が改善されたように感じたが

ディフェンスに関しては以前のような柔らかいディフェンスというのは、もうできなくなってしまったかなという感覚が自分の中にはあります。だから、一つ前のヘアピンで相手を(ネット前に)寄せて、ロブを打って打ちづらい体勢をつくるだとか、高さを打ち分けて相手のタイミングをズラすだとか、そういったことを試行錯誤しながら練習に取り組んでいました。決勝戦はがむしゃらで作戦などはなく、夢中になっていて何も考えていませんでしたが、日頃の反復練習のおかげで、無意識にそれがいいタイミングで出てくれたかなと思います」

――優勝直後、倒れ込んで拳を上にかざしていた

さっきも言ったように、苦しい1年間でした。ワールドツアーも正直、出ても勝てないというか、出たくないなというネガティブな気持ちもありました。それでちょっと休ませてもらった時に、チームのみんなは毎日、僕の練習相手をしてくれた。そういう気持ちがこみ上げてきて、チームの方にガッツポーズしました。

――優勝にたどり着いたことのうれしさは、この1年の苦しさをどれくらいリカバーするか

まったくないですね。なんだろうな、国内の大会で勝てたのはすごくうれしいですけど、また世界の大会に出た時の明確なイメージができていないので、なんとも言えません。でも、苦しい中、自分で考えて、考えて、考え抜いての優勝は、今までと比べものにならないくらいうれしいかもしれないですが、ちょっとうまく言えないです。

――まだ自分の時代は終わらせたくないと。今後は何を成し遂げていきたいか。

正直、まだ先は見えていないです。自分がいつまで現役でやれるかな…とか、最近はそういうこともよぎりますし、バドミントンは続けたい。普及活動だったり、ジュニアの子どもたちにバドミントンのおもしろさ、奥深さというのは広げていきたいと思いますけど、自分の現役に関しては、なんともいえないですね。

—今季、苦しんでいる時は強気で攻めていく姿勢が見られなかったが、昨日、今日と積極的に攻めていった

今日の決勝のプレーは、最初から自分がどんどん攻めていって、我慢して、我慢して、それでも攻撃してという展開が多かったんですけど、昨日の2ゲーム目の途中くらいからその流れが自分の中で出てきました。準決勝の田中(湧士/NTT東日本)が自分のプレースタイルを思い出させてくれたというか、ギリギリまで追い詰められたので、今日は向かっていくだけ。迷いなくプレーできたかなと思います。

—1月の大会は出る予定?

今のところは出る予定ですが、どうなるかはまだわからないです。

――来年の抱負を

「ちょっともう、来年のことは今は考えられないですね。今大会は本当に疲れて。年末年始ゆっくりすごしたいなと思います」

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行

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