12月29日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ)5日目は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは、女子シングルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
【女子シングルス】
女子シングルス決勝の舞台へと進んだのは、4回目の総合制覇をめざす山口茜(再春館製薬所/上写真)と、悲願の初優勝をねらう大堀彩(トナミ運輸)。準決勝ではどちらも2-0のストレート勝ちを収めて、決勝の切符をつかんでいる。
山口は同じA代表の髙橋明日香(ヨネックス)の挑戦を受けたが、横綱相撲で勝利をつかんだ。第1ゲームは山口が12-4と大量リード。「知らないうちに緊張していた」という髙橋の隙を見逃さなかった。しかし、少しずつリズムを取り戻した髙橋も、「点差が開いて逆に割り切ってできた」と、連続得点で山口に接近。18-19と1点差まで詰めたが、最後は山口が押し切って先制した。「疲労が溜まってきている部分もあり、後半は楽にいこうとしすぎた部分がありました」(山口)。
第2ゲームに入ると、再び山口が先行しながら試合を進める。11-8、13-10とリードを保つと、後半は4連続ポイントなどで引き離し21-17で勝利。2年ぶりの決勝進出を決めた。
大堀(上写真)は同じトナミ運輸のチームメートである仁平菜月との勝負に挑んだ。第1ゲーム、先に主導権を握ったのは仁平。6連続得点で7-4と先行したが、切れ味鋭いショットを打ち込む大堀が、じわじわと点差を詰める。すると、12-13の場面から9連続ポイントをつかんだ大堀が、第1ゲームを奪って後輩にプレッシャーをかける。
巻き返しをねらう仁平も第2ゲームに入ってねばり強くシャトルを追ったが、「ねばられても、先に崩れないように意識した」という大堀が、積極的に攻撃を仕掛けて主導権を渡さず。10-3、14-7とリードを守った大堀が、最後は21-11に抑えて決勝に進出。女王への挑戦権をつかんだ。
決勝戦について「技術的にうまさがある選手。左利きで上からのショットにもキレがあるので、そこを自分が上回っていけるように頑張りたい」と語る山口に対し、「明日は100パーセントの力を出していければ」と大堀。山口は4年ぶり、大堀は初の日本一をかけて最後の決戦に挑む。
準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝(12月29日)
山口茜(再春館製薬所)②〔21-19、21-17〕0●髙橋明日香(ヨネックス)
大堀彩(トナミ運輸)②〔21-13、21-11〕0●仁平菜月(トナミ運輸)
▼決勝(12月30日)
山口茜 − 大堀彩
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/矢野寿明