12月29日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ)5日目は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは、女子ダブルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
【女子ダブルス】
志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)、松本麻友/永原和可那(北都銀行)という、世界ランク上位にいるA代表2ペアが棄権。その中で大本命とされてきた福島由紀/廣田彩花(丸杉)が、全試合2-0で決勝進出を果たした。
準決勝の相手は、春先の日本ランキングサーキットで優勝している大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)。長身サウスポーの髙橋と、髙橋より小柄だがパワフルな大竹、どちらも強気にスマッシュを打ち込んでくる。しかし、レシーブを武器とする福島/廣田(上写真・手前)を、なかなか打ち破れない。ロングレシーブでコート奥に釘づけにし、ラリーの中でできたスペースに絶妙にシャトルを送る福島/廣田。長いラリーをしっかり取る、自分たちらしい戦い方で試合を進めていく。昨年の大会は右ヒザを負傷していた廣田が出場を見送り、「フクヒロ」としては2020年以来、2年ぶりの全日本総合。だからこそ、大会序盤から「楽しみたい」とコメントしてきた。第1ゲームは21-17で福島/廣田。第2ゲームも、福島/廣田がリードを保ちながら進んでいく。大竹/髙橋は持ち前の攻撃力で点を奪う場面もあるが、長いラリーの中でのミスが痛かった。第2ゲーム終盤、福島/廣田が6連続得点でマッチポイント。大竹/髙橋が2本しのいだが、21-13でゲームオーバー。福島/廣田が優勝した2020年以来、2年ぶり4回目の優勝に王手をかけた。
福島/廣田より先に決勝進出を決めていたのが、櫻本絢子(上写真・右)/宮浦玲奈(ヨネックス)。昨年は、それぞれ別のパートナーと組んで決勝で対戦。宮浦が優勝、櫻本が準優勝だった。今年に入ってペアの組み替えがあり、同い年の櫻本と宮浦でペアを結成。同い年の二人は相性もよく、秋の全日本社会人で優勝。手応えを感じながら、全日本総合に臨んできた。
準決勝の相手は、攻撃力を武器に1、2回戦のファイナル勝負を制してきた矢﨑月子/髙崎夏実(山陰合同銀行)。攻めてくる勢いと「とにかく必死に返してラリーに持ち込もうと話していました」(矢﨑)という思惑を外し、21-15、21-15で櫻本/宮浦が勝利をおさめた。ミスが多かったという宮浦だが、「なんでこんなミスをするのか、ダメだなと思った時に、櫻本が前向きな声をかけてくれました」とパートナーの櫻本に感謝。30日の決勝に向けては、「まずは、自分たちのベストを尽くして結果につなげたい。あともう1回、集中して頑張ります」(櫻本)と気合十分、ペアとしての初優勝をつかみにいく。
準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝(12月29日)
櫻本絢子/宮浦玲奈(ヨネックス)②〔21-15、21-15〕0●矢﨑月子/髙崎夏実(山陰合同銀行)
福島由紀/廣田彩花(丸杉)②〔21-17、21-13〕0●大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)
▼決勝(12月30日)
櫻本絢子/宮浦玲奈 − 福島由紀/廣田彩花
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/矢野寿明