12月29日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ)5日目は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
【男子ダブルス】
A代表の竹内義憲(上写真・右)/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)と、B代表の井上拓斗/三橋健也(BIPROGY)の対決は、竹内/松居が2-0で勝利。初の決勝進出を決めた。
180センチの竹内がジャンプしてたたき込む豪快なスマッシュと、クレバーな松居の前衛でのシャトルさばき。この日もペアの持ち味が冴えた。井上/三橋も反応よく時にラリーを奪うが、ゲームの流れをつかむことはできず。第1ゲーム、第2ゲームとも、序盤の競り合いを経て、竹内/松居が中盤の連続得点で突き放す展開。声を出し、拳を突き上げ、気持ちよく得点を重ねていった。最後はラリーの中で井上がネット前につないだところを、素早く前に詰めた松居が三橋のボディにプッシュ。いい形で勝負を決めた。試合後は、「明日の決勝戦は、今大会で一番楽しみながらプレーしたい。出だしから2人で声を出して、コミュニケーションを取って頑張ります」と竹内。いい雰囲気で大舞台に挑む。
優勝候補筆頭、世界ランク2位の保木卓朗(上写真・左)/小林優吾(トナミ運輸)は、山下恭平/緑川大輝(NTT東日本/早稲田大)に2-0で勝利をおさめた。
混合ダブルスA代表の山下と、B代表の緑川が組むペアに、第1ゲームは21-15。サウスポーの小林が打ち込む豪快なスマッシュと、保木がしっかり沈める前衛。さらに、後ろに回った保木がスマッシュで点を奪うなど、進化した「ホキコバ」の攻撃力が冴え渡った。しかし、第2ゲームは山下/緑川がリードする展開。混合ダブルスで鍛えたカバー力とショット力を武器に、ラリーを奪っていく。中盤、16-14と保木/小林がようやくリードするが、山下/緑川が4連続得点で18-16と逆転。さらに、20-18とゲームポイントを握る。保木/小林が1本返し、19-20で保木のサービスという場面。勝負に出た山下が、サービスプッシュをネットにかけて20-20。ここから長い長い戦いが始まった。
一進一退の攻防の中、ゲームポイントを握られた場面でも、しっかり体を入れて打ち込む小林と、積極的にネット前を取る保木。山下/緑川も応戦するが、あと1本が奪えない。27-26で保木/小林がマッチポイントを握り、最後は小林が左サイドからストレートスマッシュ。サイドラインぎりぎりに決まり、53分に及ぶ戦いが終わった。過去に準優勝3回と、あと一歩届いていない栄冠に向けて、2-0での勝利は大きかった。
準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝(12月29日)
保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)②〔21-15、28-26〕0●山下恭平/緑川大輝(NTT東日本/早稲田大)
竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)②〔21-17、21-16〕0●井上拓斗/三橋健也(BIPROGY)
▼決勝(12月30日)
保木卓朗/小林優吾 − 竹内義憲/松居圭一郎
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/矢野寿明