日本一を決める「第76回全日本総合選手権」が、12月25日に開幕。東京・武蔵野の森総合スポーツプラザを舞台に、12月30日の決勝戦まで熱戦が展開される。大会5日目の29日は、各種目準決勝を実施。ここでは、注目選手のコメントを紹介する。
男子シングルス
桃田賢斗
(NTT東日本)
準決勝:田中湧士(NTT東日本)に2-1で勝利
−−チームの後輩である田中選手との試合を振り返って
すごいしんどかったですね。1ゲーム目を取られたり、相手の攻撃にキレ味があってどうしようと思いました。2ゲーム目の中盤あたりから(力を)出し切ろうと、がむしゃらでもいいから動いて、攻めていこうと思ったのがよかったと思います。
−−1ゲーム目は守りに入ってしまった
普段の練習なら田中が先に崩れると思ったけど、今日は全然崩れてくれなかった。自分がまわされて、ドカンと決められたので苦しかったです。
−−2ゲーム目の途中から動きがよくなっていた
2ゲーム目は11-7でリードしながら11オールに追いつかれてしまい、このまま守っていては負けると思った。そこで攻めていこうと切り替えました。
−−田中選手の印象は?
攻撃力があってやりづらいと思います。今まではラリーをしたらミスするイメージでしたけど、今日は丁寧にラリーしながらの攻撃にリズムがあった。普段一緒に練習しているけど、すごく強くなっているなと感じました。
−−田中選手のスピードについて
めちゃくちゃ速いですね。後ろの入りは世界トップレベルだと思います。ショットのキレ味もいいし、ディフェンス力もある。ちょっとムキになる性格なので、そこでのミスが減れば、すごいいい選手になるんじゃないかなと思います。
−−試合後は後輩に声をかけていた
自分が引っ張っていく時代も終わりに差しかかっていると感じているので、今後のNTT東日本は、彼が引っ張っていってほしいという気持ちを伝えました。
−−桃田選手にとってはあまり好きなプレースタイルではなかったと思うが。
スマッシャーに勝てたというよりは、後輩に先輩の意地を見せられたのがよかったかなと思います。お互いに全部を出しきったし、苦しかったけど、楽しかったです。自分がいつまでコートに立って示せるかはわからないし、まして総合の準決勝で当たるのはめったにないので、今日は一緒に試合ができてよかったと思います。
−−今日のファイナルゲームの厳しい試合が、明日にどうつながっていくか
試合の終わりのリズムはよかったので、ネガティブな感情はない。あと一つなので、出し切っていきたいなと思います。
田中湧士(NTT東日本)
相手と自分のやっていることが違いすぎると思いました。桃田選手は自分(田中)と戦っているのに対して、自分自身は相手どうこうという感じではない。自分主体のバドミントンになっている。そういう意味でも、やっていることの差が大きいと感じました。
相手はラケットワークやフェイントなどをしてくるので、自分がそこで1テンポ待って動いての繰り返しになっている。スムーズな動きにならないぶん、きついというか、体力的に相手が有利になってしまったと思います。ファイナルゲームは、最後足が動かずという感じでした。その前のところで、いらない失点を減らすことができたと思うので、そこを詰めていければと思います。
(今後については)結果にこだわる選手になりたい。どんな試合でも勝つことは難しいですが、今回の1回戦でもファイナルゲームに大きく点差を離されても、そこで勝てたことで次につながった。これから先も、どれだけ勝てるかだと思います。どんなに泥臭くても、一球でもコートに落とさない気持ちができれば、相手も嫌だと思うので、そんなバドミントンをしながら駆け引きの部分、技術の部分で上にいけたらと思います。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部