12月28日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ）4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは、男子シングルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
【女子ダブルス】
3年ぶり2回目の優勝をめざしていた松本麻佑／永原和可那（北都銀行）が、永原のケガにより棄権。矢﨑月子／髙崎夏実（山陰合同銀行）が、戦わずしてベスト4一番乗りとなった。
準決勝で矢﨑／髙崎と対戦するのが、全日本社会人優勝の櫻本絢子（上写真・右）／宮浦玲奈（ヨネックス）。結成から1年未満ながら、相性バッチリの同い年ペアだ。同じ左右ペアでA代表の中西貴映／岩永鈴（BIPROGY）に対して気合十分。本来は前衛を担う宮浦だが、無理にネット前に詰めることはせず、後ろにまわされても強気にスマッシュを打ちまくる。後衛を得意とする櫻本がネット前で仕留める「逆パターン」でもラリーを奪い、得点を重ねていった。世界ランクを16位まで上げている中西／岩永は、櫻本／宮浦の勢いと、大きく高く返すロングレシーブに流れをつかめない。第1ゲームを21-17で櫻本／宮浦が奪うと、第2ゲームも勢いは止まらず。最後は浅くなったシャトルを櫻本が左から叩き込み、準決勝進出を決めた。
棄権した松本／永原、志田千陽／松山奈未（再春館製薬所）とともに、世界ランク上位で戦う福島由紀／廣田彩花（丸杉）は、保原彩夏／鈴木陽向（ヨネックス／NTT東日本）にストレート勝利。昨年の大会では、それぞれ違うパートナーと組んで決勝を戦った二人に対し、「左右ペアで、ガンガンくる攻撃型。連続攻撃をさせると相手ペースになるので、そこを意識しながら組み立てました。ミスから点をあげると乗ってくるので、連続失点のあとはすぐに取り返して、流れを渡さなかったのがよかったです」（廣田）。冷静なプレーぶりが、21-11、21-8というスコアに表れている。
福島／廣田への挑戦権を獲得したのは、今年の日本ランキングサーキット優勝の大竹望月／髙橋美優（BIPROGY）。第1ゲームは、篠谷菜留／上杉杏（NTT東日本／明治大）に10-19と大量リードされたところから、8連続得点などで大逆転。23-21で奪うと、第2ゲームはしっかり立て直して21-14。青森山田高校から組む先輩＆後輩ペアが、昨年のベスト8を超え、さらに上をめざす。
準々決勝の結果は以下の通り。
▼準々決勝（12月28日）
矢﨑月子／髙崎夏実（山陰合同銀行） キケン 松本麻佑／永原和可那（北都銀行）
櫻本絢子／宮浦玲奈（ヨネックス）②〔21-17、21-15〕0●中西貴映／岩永鈴（BIPROGY）
福島由紀／廣田彩花（丸杉）②〔21-11、21-8〕0●保原彩夏／鈴木陽向（ヨネックス／NTT東日本）
大竹望月／髙橋美優（BIPROGY）②〔23-21、21-14〕0●篠谷菜留／上杉杏（NTT東日本／明治大）
▼準決勝（12月29日）
矢﨑月子／髙崎夏実 − 櫻本絢子／宮浦玲奈
福島由紀／廣田彩花 − 大竹望月／髙橋美優
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳