12月27日に開催された第76回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ）3日目は、各種目2回戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルスの戦いをダイジェストでお伝えする。
男子ダブルスの優勝候補筆頭は、世界ランク2位の保木卓朗／小林優吾（トナミ運輸）。2回戦の相手は、西川裕次郎／武井凜生（NTT東日本）。長身サウスポーの西川と、高校卒1年目ながら抜群の身体能力が光る武井という難敵に、21-16、21-16で勝利を収めた。ともに応援に来ているという家族を意識しながら、「今回は勝ちたいというよりいいプレー、一瞬一瞬のプレーを大事にしていきたい。勝ちではなく自分のプレーを見てほしいという気持ちで、リラックスしてやりたいなと思っています」（小林）と、その存在を力に変えている。古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）、竹内義憲／松居圭一郎（日立情報通信エンジニアリング）も、ストレート勝利で準々決勝進出。A代表3ペアが、しっかりベスト8進出を決めた。
混合ダブルスA、B代表が組む山下恭平／緑川大輝（NTT東日本／早稲田大）は、インカレ王者の武井優太／遠藤彩斗（明治大）に、21-13、21-8で勝利。昨年3位となってB代表の座を勝ち取った武井／遠藤だが、今年は2回戦敗退に終わった。国際大会で優勝するなど飛躍を遂げてきただけに、悔しさもひとしおだろう。なお、山下と緑川は、混合ダブルスとの2種目でベスト8入りを果たしている。
昨年、高校卒1年目でベスト8入りした西田陽耶／目崎駿太郎（トナミ運輸）は、ベテランの北林悠／市川和洋（ジェイテクト）に、ファイナル20-22で敗退。西田／目崎と同じB代表の岡村洋輝／小野寺雅之（BIPROGY）は、埼玉栄高の先輩にあたる竹内宏気（上写真・右）／小川桂汰（丸杉）に、ファイナルゲーム17-21で敗れた。春先の日本ランキングサーキットでは、ベスト8に残れなかったB代表勢。まだ伸びしろのある世代だけに、悔しさを乗り越えての奮起に期待したい。
最後にベスト8を決めたのは、昨年準優勝の井上拓斗／三橋健也（BIPROGY）。今年からペアを組む下農走／金子真大（トナミ運輸）に、21-15、20-22、21-16で勝ちきった。準々決勝の相手は、昨年の決勝で敗れた高野将斗／玉手勝輝（日立情報通信エンジニアリング）。「去年はあっけなく負けた印象があるので、自分の仕事をする。体を使って、次に頭を使っていけたら、結果もついてくるかなと思うので、まずは自分のやれることをやっていきたいです」と三橋。井上／三橋のリベンジなるか、高野／玉手が返り討ちにするか、熱い戦いに注目したい。
2回戦の結果は以下の通り。
▼2回戦（12月27日）
保木卓朗／小林優吾（トナミ運輸）②〔21-16、21-16〕0●西川裕次郎／武井凜生（NTT東日本）
北林悠／市川和洋（ジェイテクト）②〔21-13、16-21、22-20〕1●西田陽耶／目崎駿太郎（トナミ運輸）
山下恭平／緑川大輝（NTT東日本／早稲田大）②〔21-13、21-8〕0●武井優太／遠藤彩斗（明治大）
古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）②〔21-16、21-13〕0●本田尚人／大関修平（大同特殊鋼）
井上拓斗／三橋健也（BIPROGY）②〔21-15、20-22、21-16〕1●下農走／金子真大（トナミ運輸）
高野将斗／玉手勝輝（日立情報通信エンジニアリング）②〔21-15、14-21、21-16〕1●霜上雄一／野村拓海（日立情報通信エンジニアリング）
竹内宏気／小川桂汰（丸杉）②〔16-21、22-20、21-17〕1●岡村洋輝／小野寺雅之（BIPROGY）
竹内義憲／松居圭一郎（日立情報通信エンジニアリング）②〔21-15、21-12〕0●藤澤佳史／永渕雄大（筑波大）
▼準々決勝（12月28日）
保木卓朗／小林優吾 – 北林悠／市川和洋
山下恭平／緑川大輝 – 古賀輝／齋藤太一
井上拓斗／三橋健也 – 高野将斗／玉手勝輝
竹内宏気／小川桂汰 – 竹内義憲／松居圭一郎
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳