12月11日に開催されたBWFワールドツアーファイナルズ2022(タイ・バンコク最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。日本勢は女子シングルスの山口茜が、優勝をかけてライバル・戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)と激突。見応えのある熱戦を繰り広げた。
ファイナルズでは、2017年以来5年ぶりの優勝をかけて決勝の舞台に立った山口。難敵・戴資穎が決勝戦の相手となったが、その戴資穎は準決勝で好調の何冰嬌(へ・ビンジャオ)を2-0のストレートで撃破。2大会ぶりの優勝に向けて、好調をキープしていた。
最終日の第1試合に組まれた女子シングルスの決勝戦、その第1ゲームは中盤まで戴資穎が7-4、9-7と先行する展開。しかし、ここから山口のスピードが上がると、5連続得点で12-9と逆転に成功。その後も主導権を渡さなかった山口が、21-18で第1ゲームを制し、優勝に王手をかける。
第2ゲームに入っても、戴資穎の攻撃をねばり強く返してペースを握った山口。「(第2ゲームは)しっかりディフェンスができていたと思います」と、強敵との連戦が続いた中でも、持ち味のフットワークのスピードを落とさず18-14。「しっかり守って、自分のチャンスで慌てずに攻撃するイメージ」で戦った山口が、終盤の戴資穎の追い上げを振り切って22-20で勝利。見事、年間女王のタイトルをつかみとった。
山口は3月の全英選手権(Super1000)、8月の世界選手権に続き、ワールドツアーファイナルズのビッグタイトルを獲得。年間を通して女王にふさわしい活躍を見せた山口は、今季の国際大会のフィナーレを笑顔で締めくくった。
その他の種目では、男子シングルスのビクター・アクセルセン(デンマーク)が、初優勝をねらうアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)を2-0で制し、年間王者に輝いた。準決勝ではそれぞれファイナルゲームの熱戦を繰り広げた2人だったが、決勝戦ではアクセルセンが終始ペースを握る展開。ギンティンのスピードを制圧した世界王者が13本、14本で勝利し、貫禄の大会2連覇を達成した。
女子ダブルスも、今年の世界選手権を制した中国の陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン)が、地元タイの姉妹ペア、ベンヤパ/ヌンタカンを13本、14本で下し優勝。混合ダブルスも、同じく世界選手権金メダルの鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)が、地元タイのデチャポル/サプシリーとのファイナル勝負の激戦を制して頂点に立っている。
また、男子ダブルスは、今季から本格的にペアを組む劉雨辰(リュウ・ユチェン)/欧烜屹(オウ・シュァンイ/中国)が、ベテランのセティアワン/アッサン(インドネシア)を接戦の末に退け初優勝。ペア結成から1年も満たない2人が、見事年間王者の称号をつかみとった。
12月11日の決勝戦の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−13、21−14〕0●アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)41分
【女子シングルス】
山口茜(日本)②〔22−18、22−20〕0●戴資穎(台湾)46分
【男子ダブルス】
劉雨辰/欧烜屹(中国)②〔21−17、19−21、21−12〕1●セティアワン/アッサン(インドネシア)59分
【女子ダブルス】
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−13、21−14〕0●ベンヤパ/ヌンタカン(タイ)37分
【混合ダブルス】
鄭思維/黄雅瓊(中国)②〔21−19、18−21、21−13〕1●デチャポル/サプシリー(タイ)62分
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO