12月10日に開催されたBWFワールドツアーファイナルズ2022(タイ・バンコク)4日目は、各種目の決勝トーナメント・準決勝が行なわれた。日本は男子シングルスの奈良岡功大、女子シングルスの山口茜が決勝をかけてライバルたちと激突。熱戦を繰り広げている。
女子シングルス決勝の切符を手にしたのは、2017年以来5年ぶりのファイナルズ優勝をねらう山口(上写真)。準決勝は予選リーグ・第2戦で敗れている陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)に対して、第1ゲーム前半からリードを奪って試合を進める。「第1ゲームはどちらかというとコントロールが難しいエンドでしたけど、相手選手も前半はあまり感覚が合っていなかったように感じた」と、12-8、17-13と山口が先行。終盤は陳雨菲に19オールとされたが、山口が連続ポイントで第1ゲーム21-19で先取した。
第2ゲームに入ると、「自信をもってコントロールできると思った」という山口が主導権を握り、コートを広く使いながらポイントを加算。7連続得点などで21-10とした山口が勝利をつかみ、決勝進出を決めた。準決勝のもう1試合は、戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)が何冰嬌(へ・ビンジャオ/中国)を2-0で破り決勝へ。頂上決戦は、山口と戴資穎との対決となった。
ファイナルズ初出場ながら予選リーグを突破した21歳の奈良岡(上写真)は、リーグ第2戦で敗れたビクター・アクセルセン(デンマーク)と再び準決勝で激突した。リーグ戦では奈良岡が主導権をなかなか奪えずに終わったが、今回は第1ゲームから好ラリーを展開。「自分より格上だし、何度も(ワールドツアーを)優勝している選手。まずは1ゲーム目を取りたかった」(奈良岡)と、スピードを生かした攻撃を仕掛け、ねらい通り23-21で先制する。
第2ゲームに入っても奈良岡が流れをつかみ、前半に7連続ポイントを奪ってリードする場面をつくった。しかし、ここで簡単に崩れないのが世界王者のアクセルセン。6-11から冷静にペースを引き戻して13オールにすると、後半は17-19から4連続得点で奈良岡を制し、ファイナルゲームに持ち込んだ。
「タフな試合になると思っていた」という奈良岡の予想通り、最終ゲームにもつれた試合は、1-1に戻したアクセルセンがペースをつかむ。前半に4連続得点などで13-7に点差を広げると、後半も世界王者がポイントを重ねて20-13。奈良岡も「自分が疲れても、動けなくなるまで動き切ろうと思っていた」と、最後までねばりを見せて2点差まで縮めたが、最後のマッチポイントを奪ったのはアクセルセン。世界王者に逆転負けを喫した奈良岡は、悔しい準決勝敗退となった。
10日に行なわれた準決勝の結果、11日の決勝戦の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準決勝(12月10日)
アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)②〔21−15、11−21、21−18〕1●ジョナタン・クリスティ(インドネシア)56 分
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−23、21−19、21−18〕1●奈良岡功大83分
▼決勝(12月11日)
ビクター・アクセルセン − アンソニー・S・ギンティン
【女子シングルス】
▼準決勝(12月10日)
山口茜②〔21−19、21−10〕0●陳雨菲(中国)35 分
戴資穎(台湾)②〔21−18、21−14〕0●何冰嬌(中国)40分
▼決勝(12月11日)
山口茜 – 戴資穎
【男子ダブルス】
▼準決勝(12月10日)
セティアワン/アッサン(インドネシア)②〔17−21、21−13、21−19〕1●テオ・イーイ/オン・ユーシン(マレーシア)54分
劉雨辰/欧烜屹(中国)②〔22−20、11−21、21−19〕1●アルディアント/アルフィアン(インドネシア)57分
▼決勝(12月11日)
セティアワン/アッサン − 劉雨辰/欧烜屹
【女子ダブルス】
▼準決勝(12月10日)
ベンヤパ/ヌンタカン(タイ)②〔22−20、21−15〕0●鄭ナウン/金ヘジョン(韓国)43分
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−19、21−13〕0●鄭雨/張殊賢(中国)39分
▼決勝
陳清晨/賈一凡 − ベンヤパ/ヌンタカン
【混合ダブルス】
▼準決勝(12月10日)
鄭思維/黄雅瓊(中国)②〔21−10、21−15〕0●タンKM/ライPJ(マレーシア)27分
デチャポル/サプシリー(タイ)②〔24−22、16−21、21−14〕1●リバルディ/メンタリ(インドネシア)73分
▼決勝(12月11日)
鄭思維/黄雅瓊 – デチャポル/サプシリー
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO