日本バドミントン協会は、11月30日、臨時理事会を行ない、新会長に中村新一氏(68歳)、新専務理事に毛利達彦氏(63歳)が就任することを決定した。
また、同日付でこれまで副会長を務めていた福田達夫氏が副会長と理事を辞任。同じく副会長を務めていた山田順一郎氏が副会長と代表理事を辞任し、新たな副会長に朝倉康善氏(63歳)が就任した。
日本協会では、元職員による横領の隠蔽や国庫補助金の不正申請などの不祥事により、すでに関根義雄会長、銭谷欽治専務理事が11月30日付での辞任を決めており、臨時理事会で来年6月の改選期までの暫定的な新体制を決定した形だ。
臨時理事会では、理事の互選により、新たな三役を決定。一連の不祥事で厳重注意処分および注意処分を受けた理事を新三役の対象から外して審議し、選定された。なお、辞任を決めていた関根会長、銭谷専務理事、福田副会長は本人の申し出により、同理事会を欠席。11月3日に行なわれた評議員会後の取材で、関根会長は新体制を決める理事会へ出席の意向を明かしていたが、新たな体制を決めるにあたり、自身の意見が何らかの影響を与えてはいけないということで自ら欠席を決めたという。
なお、中村新会長、毛利新専務理事は2021年6月から理事を務めており、1期目。2019年、元職員の横領が発覚した際に理事の総意でその事実について公表しないことを決めた当時には理事ではなかった中村新会長は、「そのときは五輪の開催前、諸事情によって当時の役員がそのような対応をとり、結果的に皆様から見れば、隠蔽ということになってしまった。やっぱり悪いことは悪い、隠蔽は隠蔽という認識を今は持っています」と、協会内の不祥事への見方を示した。
中村新一・新会長のコメント
「日本バドミントン協会の会長を新たに仰せつかりました。今回の理事会で決定した新三役は基本的には任期残任期間の暫定ということになります。本日の理事会では、会員、選手の皆様、所轄官庁の皆様、ひいては国民の皆様からのこれまでのご意見をどう受け止め、今後、理事会と事務局の運営をどう立て直していくべきかを、理事・監事全員で深く議論いたしました。加えて、理事会をどう改革していくか、その具体的な目標を定め、世の中に示していく必要があるとの結論になりました。
来年6月の評議員会を目途に、それまでの7か月間は、自ら身を切る改革を行ない、ガバナンスコードに適合した理事会構成の具現化をめざす期間として、その結果として世の中の信頼回復を果たしていきたいと存じます。
具体的には多様な人材登用による理事会構成を具体化し、組織の管理・監督を強化します。6月の理事会改選時には経験豊富な外部理事および女性理事を登用し、多様性と実効性を確保します。さらには外部実力者を代表理事、会長とすることも含めて選定を行なっていく所存です。また、ガバナンスコードに沿う形で、女性理事40パーセント、外部理事25パーセントの目標設定、理事の就任期間を原則5期10年にすることなどもめざしていきます。評議員会の構成も、令和7年の改選期までに外部および女性の割合を具体化していきたいと存じます。それらを具体化するために、定款等の見直しと、これまでの反省を生かし、再発防止を含めて関係規定の整備も行ないます。さらに、協会事務局の機能の強化と、運営スキルの向上も推進していきます。
これらは具体化するためには大きなハードルを越えていかなければならないところが多くありますが、日本バドミントン界の将来を考え、過去にとらわれず、新しい時代を築く。世の中から信頼と評価を得るためには大改革が必要であると考えました。約1年以上続く不祥事案件への対応については、国民の皆様には非常に申し訳なく思っております。来年改選期に向けて、強い覚悟をもって、残された理事・監事全員で改革に取り組んでまいります」
取材・文/バドミントン・マガジン編集部