【インカレ2022】準決勝、決勝の接戦を制した植村&佐藤が2連覇を達成!<女子ダブルス>

大学日本一を決める73回全日本学生選手権[インカレ]が、山梨県甲府市の小瀬スポーツ公園体育館で開催された。大会最終日となった10月20日は、個人戦の準決勝、決勝が行なわれ、各種目の大学生王者が決定。ここでは、女子ダブルスのダイジェストをお伝えする。

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【女子ダブルス】

混戦となった女子ダブルス。その中からベスト4に進出したのは、前回大会を制して2連覇に挑む植村理央/佐藤灯(龍谷大)。インカレで初の上位進出を果たした新田桃子/町田華梨(大妻女子大)、そして筑波大から2年生ペアの青木もえ/長廻真知、1年生ペアの中原鈴/広瀬未來が勝ち進んでいた。

優勝候補の植村/佐藤(上写真・右)は、トーナメントの序盤から強豪ペアを次々と破って勝ち上がってきた新田/町田と対戦。第1ゲームは植村/佐藤が21-9で先制するも、第2ゲームはねばり強く戦う新田/町田が23-21で取り返し、ファイナルゲームに突入した。連覇に向けて負けられない龍谷大ペアは、「相手は向かってくる立場。そこで引かないように戦った」(佐藤)と、守備からリズムをつかんでポイントにつなげると、最後は21-12で引き離し新田/町田との接戦をモノにした。

一方、反対のヤマでは筑波大同士の対決となり、ここを勝利したのが先輩の青木(上写真・左)/長廻。第1ゲーム、第2ゲームともに21-19という際どい勝負となったが、前回のインカレを経験している2人が後輩の挑戦をしっかりはねのけた。

迎えた女子ダブルスの決勝戦。連覇に向けてあと1勝となった植村/佐藤。対する筑波大の長廻は、前回大会で別のペアと組んで決勝を戦っており、青木とのペアでリベンジをねらう。すると、第1ゲームを先に奪ったのは筑波大ペア。「相手は4年生なので、今度は私たちが向かっていく立場」(長廻)と、なかなかスピードが上がらない龍谷大ペアを、21-12に抑えて王手をかける。

追い込まれた植村/佐藤は、続く第2ゲームも筑波大ペアに先行を許す苦しい展開に。8-11でインターバルに入ったが、「古財監督に“このままでいいのか”と怒られて、そこから開き直って戦いました」(植村)と、スイッチを入れ直してコートに入る。すると、そこから植村/佐藤が3連取を奪って一気に同点にすると、さらに6連続得点で突き放して21-18。龍谷大ペアが第2ゲームを取り返した。

試合途中に息を吹き返した龍谷大ペアに対し、前半に鋭い攻撃を見せていた青木/長廻の足が、少しずつ止まり始める。「2ゲーム目以降は疲れを感じなかった。最後は無理をしてでも打っていこうと思った」という佐藤が鋭いスマッシュからポイントをつかむと、15-5で大量リード。青木/長廻もここから14-19と5点差まで差を詰めたが、「相手は前回優勝した意地があったと思います。最後は力の差を見せつけられた」(青木)と、終盤に再びスピードを上げた植村/佐藤が振り切って優勝。「プレッシャーもありましたが、優勝できて安心しました」(佐藤)と振り返る女王ペアが、最後のインカレで有終の美を飾った。

優勝:植村理央(右)/佐藤灯
(龍谷大)

佐藤「(前回優勝で)全員から向かってこられる立場になったのが初めて。プレッシャーもあったけど、優勝できて安心しています。決勝戦は、準決勝が終わってから20分後ぐらいに入ったので、第1ゲームは足が全然動きませんでした。でも、第2ゲームのインターバルで監督から声をかけられて、向かっていく立場でいこうと思い、そこからスイッチが入りました。後半は攻める姿勢を忘れずに、2ゲーム目以降は疲れを感じなかったので、無理してでも打っていこうと思いました。攻撃のパターンにもっていったら勝てる自信があったので、最後は思いっきりできました」

植村「昨年優勝したことで、周りからも“ベスト4に入るのが当たり前”という雰囲気を感じて、気持ちの面ではきつかったです。その中で、団体戦が準優勝に終わってしまい、個人戦は絶対に優勝したいという気持ちでやってきました。優勝できて、本当によかったです。大会前は関西の大会や西日本で負けないようにと思っていましたが、インカレ直前の練習試合で負けたり、関西の選手に競ったりして苦しかった。でも、インカレに入ったら“やるしかない”と気持ちを切り替えて臨めたのが、最後の優勝につながったかなと思います。インカレが終わって、次は昨年(1回戦で)負けてしまった全日本総合があるので、総合で勝って終わりたいです」

上位入賞者。前列左から佐藤灯、植村理央(龍谷大)、長廻真知、青木もえ(筑波大)。後列左から中原鈴、広瀬未來(筑波大)、新田桃子、町田華梨(大妻女子大)。

▼準決勝(10月20日)

植村理央/佐藤灯(龍谷大)②〔21−9、21−23、21−12〕1●新田桃子/町田華梨(大妻女子大)

青木もえ/長廻真知(筑波大)②〔21−19、21−19〕0●中原鈴/広瀬未來(筑波大)

▼決勝

植村理央/佐藤灯②〔12−21、21−18、21−16〕1●青木もえ/長廻真知

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/ 菅原淳

投稿日:2022/10/21
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