バドミントンの国際大会であるダイハツ・ヨネックスジャパンオープンは9月3日、大阪・丸善インテックアリーナで各種目の準決勝を行ない、日本勢は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗、女子シングルスの山口茜、男子シングルスの西本拳太がそろって勝利。3種目で決勝戦に進出した。
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先陣を切ったのは、渡辺(上写真・右)/東野。前週の世界選手権の決勝で敗れた鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)との再戦に臨んだ。鄭思維が「特に東野選手のプレーがよかったです。非常に質の高い球をネット前に落とされました」と振り返ったように、東野が戦い方を変更。高く強い球を返すのではなく、積極的にシャトルを相手コートに低く沈めることでスピード勝負に持ち込んだ。
第1ゲームは9-14とリードされたが、猛追。16オールで追いつくと、19-17の場面からサービスを打った渡辺が、東野の後ろに飛ばされた返球に素早く反応して3球目強打で20点目。最後は、ラリーで前に飛び出した渡辺がプッシュを打つと見せかけて、得意のフェイントショットを落として21点目を奪い、ゲームを先取した。
第2ゲームは、鄭思維の強打と黄雅瓊のネットプレーに押し込まれて12-21。ファイナルゲームは3点差以上つくことがない大接戦。20-18のマッチポイントから相手に逆転され、20-21から渡辺が打ったスマッシュをクロスに返されると、東野の頭上を越えて大ピンチとなったが、渡辺が逆サイドまで走ってクロスに球を打ち込んで、相手をかわして起死回生。そこから東野のネットプレー、渡辺の上からのショットで連続得点を取って勝利。東野は「先週は、簡単に上げてしまう場面が多かったので(コーチの)ジェレミーさんとも話して、上げないような展開をつくって、自分たちの攻撃のカタチに持っていけた」と手応えを語った。この種目で最強を誇るペアに雪辱を果たし、決勝進出を決めた。
続けて第1コートで試合を行った山口(上写真)も、世界選手権の決勝戦の再戦。陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)に第1ゲームを奪われたが、第2ゲームは我慢の展開で21-16と取り返した。ファイナルゲームは9-14と苦しい状況に追い込まれたが、突如、スピードを上げた山口が強襲。「もう楽しんでやってやろうと思って、動きがよくなった。やっぱり、結果を気にせずに、その場を楽しむのは重要。めちゃくちゃにやってやろうと思ったら、なんか、あれ、(動きが)いいなという感覚はありました」と開き直った山口は、相手の反撃も好反応のレシーブで跳ね返し、4連続得点で同点に。最後は競り合いながらも攻撃の姿勢を崩さず、24-22。ねばる相手を振り切って決勝に駒を進めた。
さらに勝利を続けたのが、今大会で最も勢いを見せている西本(上写真)だった。世界選手権の初戦で破った世界ランク3位のアンダース・アントンセン(デンマーク)との再戦。第1ゲームは、9-12から逆転。相手の強打にうまくレシーブで対応すると、足を使ってスマッシュ、ネットの繰り返し。19-20でアントンセンが放ったスマッシュは、チャレンジコールによって映像判定が行なわれたが、ギリギリのアウト。西本が攻めきって22-20で制した。
第2ゲームは11-5のリードからドライブ戦を挑まれて苦しんだが、下がらずに我慢。「僕も余裕はなかったけど、朴HCや中西コーチに『相手の方が疲れている』と言われた」とねばりを見せ、一気に試合の流れを持っていかれることなく点の取り合いに持ち込むと、最後は相手のクリアーがアウト。21-19で激闘を制した。
準決勝の日本選手の結果、決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準決勝(9月3日)
西本拳太②〔22−20、21−19〕0●アンダース・アントンセン(デンマーク)69分
▼決勝(9月4日)
西本拳太 − 周天成(台湾)
【女子シングルス】
▼準決勝(9月3日)
山口茜②〔15−21、21−16、24−22〕1●陳雨菲(中国)73分
▼決勝(9月4日)
山口茜 − アン・セヨン(韓国)
【混合ダブルス】
▼準決勝(9月3日)
渡辺勇大/東野有紗②〔21−17、12−21、23−21〕1●鄭思維/黄雅瓊(中国)68分
▼決勝(9月4日)
渡辺勇大/東野有紗 − デチャポル/サプシリー(タイ)
取材・文/平野貴也
写真/毛受亮介