8月27日に開催されたBWF世界選手権2022(東京体育館)6日目は、各種目準決勝が行なわれた。精鋭たちの至高の戦いを、ダイジェストでお伝えする。
世界選手権2022
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【シングルス】
男子シングルスの決勝に勝ち進んだのは、ビクター・アクセルセン(デンマーク/上写真)とクンラビット・ビティサラン。東京オリンピック金メダリストは、ベテランの周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)と対戦すると、第1ゲームから鋭いスマッシュで周天成の守備を崩し、21-15で先制する。第2ゲームはネット前やドライブからの主導権の奪い合いとなり、アクセルセンが13-9とリードを奪えば、周天成も負けじと5連続得点で16-14と逆転。互いに苦しい状況となったが、冷静だったのはアクセルセンだった。「2ゲーム目は相手にリードを許した時に、戦略を変えていった。そこからいいプレーができた」と、スマッシュの強打に頼らず、つなぎ球やヘアピンから主導権を握った。すると、6連続得点で20-16と再びアクセルセンが逆転。そのまま押し切ったアクセルセンが、21-17で制して世界選手権2回目の決勝進出を果たした。
一方、中国の趙俊鵬(ツァオ・ジュンペン/上写真・右)と対戦したクンラビットは、フットワークやフィジカルの強さで押し切る。第1ゲームこそ22-20で競ったものの、第2ゲームは「準々決勝より風の向きが変わっていた。それにうまく対応できなかった」という趙俊鵬の集中力が切れた隙を見逃さず、一気に攻勢を仕掛けたクンラビット。21-6で勝利をつかみ、世界選手権初の決勝進出を果たした。
女子シングルスは、東京オリンピック決勝を争った陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国/上写真)と戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)の2人が激突した。第1ゲームは戴資穎がスピード戦を仕掛けて21-15と先制をつかんだが、第2ゲームは陳雨菲がねばり強くプレー。「とにかく我慢できたのがよかった」(陳雨菲)と、14本に抑えて1-1のイーブンに戻すと、最終ゲームも陳雨菲が勢いをそのままキープして21-18で戴資穎を抑えた。陳雨菲は世界選手権で初の決勝進出。もう一つの準決勝でアン・セヨン(韓国)を破った、山口茜と決勝で激突する。
8月27日の試合結果、決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準決勝
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−15、21−17〕0●周天成(台湾)52分
クンラビット・ビティサラン(タイ)②〔22−20、21−6〕0●趙俊鵬(中国)43分
▼決勝戦(8月28日)
ビクター・アクセルセン − クンラビット・ビティサラン
【女子シングルス】
▼準決勝
山口茜(日本)②〔21−19、21−12〕0●アン・セヨン(韓国)43分
陳雨菲(中国)②〔15−21、21−14、21−18〕1●戴資穎(台湾)71分
▼決勝戦(8月28日)
山口茜 − 陳雨菲
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO