8月27日に開催されたBWF世界選手権2022(東京体育館)6日目は、各種目準決勝が行なわれ、メダルを確定させた日本代表選手が登場。ここでは、女子ダブルスに出場した松本麻佑/永原和可那の試合結果とコメントをお伝えする。
世界選手権2022
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【女子ダブルス】
前回の世界選手権優勝の中国、陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン)に挑んだ松本(上写真・奥)/永原。昨年後半は、永原が負った肩のケガのリハビリに費やし、復帰戦となった年末の世界選手権で銅メダルを獲得。今季はコンディションを戻した状態で大会に挑み、しっかり準決勝まで勝ち上がってきた。現女王に、2018&19年の世界女王である松本/永原が、どうぶつかっていくかに注目が集まった。
第1ゲームの序盤は、中国ペアがペースを握った。松本/永原も得意のスマッシュから得点をねらうが、イージーミスも重なり7-11。ここから日本ペアが11-13と2点差まで詰めたが、ドライブなどの低い展開で先手を奪った中国ペアが突き放す。「大きい展開と低い展開のタイミングを迷ってしまった」と永原。スマッシュのバリエーションが多い中国に押し込まれ、日本ペアが13−21で先制を許した。
第2ゲームに入っても、流れは変わらない。松本/永原はドライブやつなぎ球で攻撃を試みるが、その前に陳清晨/賈一凡が立ちはだかり、ロブやレシーブを上げる展開が続く。4−11で折り返してからは、日本ペアは打開策が見当たらないまま失点。「自分たちが攻撃できている時は点数が入るというのは、以前と変わらない」(松本)というように、スマッシュから得点を奪うことはできたが、どれも単発で終わってしまう。14-20と相手にマッチポイントを握られると、最後は中国ペアのロングサービスが決まり、勝利の雄叫びが会場に響きわたった。
4大会連続の上位進出となった松本/永原は、2大会連続で銅メダル。「今回は優勝をめざしてきたので悔しい部分はある」(松本)と、満足なきメダルに終わった。
【コメント】
−−なかなか攻撃の展開がつくれなかったが
松本 自分たちの攻撃ができている時に点数が入るのは変わらない。これからの課題は、どう自分たちの攻撃のカタチにもっていくか。そこを追求しながら、練習を意識していきたいと思います。
永原 中国ペアは本当に穴がない。攻撃もレシーブも両方堅いので、自分たちもあれくらいのデキにしたいなと思いました。自分たちの攻撃する場面で点数が入ってくる展開が多かったので、そこまでつなげられたらもっと戦えると思います。今日はレシーブがよくなかったので、そこはしっかり反省して、次に活かしたいと思います。
−−世界の頂(いただき)にのぼる難しさをどう感じたか
松本 毎回、大会に臨む位置や気持ちは違うのですが、今回は(相手が)第1シードという中で戦ってみて、やはり王者だなという感じがありました。なかなか崩れないし、攻撃も簡単には決まらない。自分たちも、もっとねばり強くプレーして、もう一度、王座奪還できたらなと思います。
−−試合前のプランは
永原 相手は低い展開がすごく強いので、自分たちが仕掛けるタイミングが速いと、逆に相手にねらわれて、流れがもっていかれると思っていた。大きい展開でやっていきたいと思ったけど、自分たちが普段から大きな展開でやっていくタイプではなかったので、そこの部分で、大きい展開と低い展開に入るタイミングを迷ってしまう部分があった。そこで、はっきりできたらなと思います。
−−今回は攻撃をしっかりやるという意識だったと思うが、大会を通して攻撃がやれるというきっかけは得られたか
永原 自分たちの攻撃の部分を見つめ直して、そのカタチをつくろうと練習してきました。そのカタチがコンビネーションの中で見られたけど、今日のようにレシーブが堅いペアになると、なかなか攻撃のカタチをつくらせてもらえない。レシーブするまでに我慢しないといけないけど、今日は相手の上からのショットで崩される展開が多かった。そこは相手から学ぶところだと思うので、そこを課題としてやっていきたい。
▼準決勝(8月27日)
松本麻佑/永原和可那●0〔13−21、14−21〕②陳清晨/賈一凡(中国)52分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳