7月24日、高校生の夢舞台・インターハイ(全国高校総体)のバドミントン競技が徳島県の吉野川市、徳島市、鳴門市で開幕した。大会初日は男女団体戦の1回戦から3回戦までを行ない、準々決勝進出チームが決まった。ここでは、男子団体のダイジェストをお伝えしよう。
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【男子ダイジェスト】
上位4シードは3月の高校選抜のベスト4以上。ここに大きな波乱はなく、すべて明日25日の準々決勝に駒を進めたが、順当な結果の中にも多少の「ヒヤリ」はあった。
昨年のインターハイから夏春と連覇中の第1シード・ふたば未来学園(福島)の3回戦。相手は27年連続出場の伝統校・比叡山(滋賀)で、ダブルス2つはいずれも危なげなかった。ところが、これが団体戦デビューだった第1シングルスの1年生・松川健大が、桑原朋也に12本、17本のストレート負けを喫すると、選抜王者の齋藤駿も星を落とす。ファイナルゲーム終盤に怒涛(どとう)の追い上げを見せた齋藤だが、3回あったマッチポイントを生かせず、22-24で力尽きた。しかし、この時点で第3シングルスはすでに決着間近。ふたば未来の岩野滉也が、池山蒼人を9本、11本で退け、チームのピンチを軽やかに救った。
昨年同様、対戦ごとにダブルスの組み方やオーダーを大胆に変えながら臨んでいるふたば未来だが、初日の結果を踏まえて準々決勝以降どう戦略を練ってくるか注目される。準々決勝は今大会最大の山場だ。相手は昨年激しく決勝を戦ったライバルの埼玉栄(埼玉)。選抜はコロナ感染者が出た影響で欠場したため、今大会のシードはつかず、優勝候補最有力の両者が早くも準々決勝で激突することに。岩野は「選抜で優勝したことは、プレッシャーじゃなく自信に変えて明日は臨みたい」と話した。
選抜準優勝の高岡第一(富山)は、接戦も予想された聖ウルスラ学院英智(宮城)との3回戦を3-0で快勝。この高岡第一に準々決勝で挑むのは、26年連続出場の八代東(熊本)だ。名古屋経済大市邨(愛知)との3回戦は白熱した。同時展開したダブルスはいずれもファイナルの延長ゲームに突入した末に、それぞれが1勝をもぎ取る結果に。
第1シングルスは八代東の石原叶登がストレート勝ちし、名経大市邨は第2シングルスのキャプテン対決で冨田万南斗が毛利柊光にファイナルゲーム18本でねばり勝ち。逆転の望みをつなぐ。しかしその直後、第3シングルスで八代東の中村光惺が、ストレートで勝利をつかんだ。第1ダブルスで悔し涙をのんだ2年生の中村だが、「しっかり切り替えてシングルスに集中できました。後ろから先生も喝を入れてくれていたので、気持ちも入った」と試合後は笑顔いっぱいだった。
第3、第4シードの東大阪大柏原(大阪)と瓊浦(長崎)の両校も、2、3回戦ともに3-0で勝利。柏原は選抜ベスト8の自由ケ丘(福岡)と、瓊浦は2回戦で北越(新潟)との接戦をものにして勝ち上がってきた水島工(岡山)と準々決勝を戦う。
◆男子団体初日(1回戦〜3回戦)の結果はこちら
<男子団体・準々決勝の対戦カード>
ふたば未来学園(福島)− 埼玉栄(埼玉)
瓊浦(長崎)− 水島工業(岡山)
東大阪大柏原(大阪)− 自由ケ丘(福岡)
高岡第一(富山)− 八代東(熊本)
取材・文/山口奈緒美
写真/菅原淳