公益財団法人ヨネックススポーツ振興財団における「2021年米山稔賞」の表彰式が、6月9日、東京都内で行なわれ、東京2020パラリンピック車いすテニスで金メダルを獲得した国枝慎吾、東京2020パラリンピックバドミントンで金メダルを獲得した里見紗李奈、山崎悠麻、梶原大暉の4選手が受賞した。
受賞者4選手は、いずれも海外遠征中で表彰式に出席することはできなかったため、選手関係者が代理で表彰楯と目録を受け取り、選手は遠征先からビデオメッセージを寄せた。
遠征先のフランス・ニースから受賞に対しての謝辞を述べた国枝は、「昨年は私のキャリアにとっても最重要の年でした。ヒジのケガに悩んでいたときに、2016年からヨネックスラケットでヒジへのストレスが減り、ショットの威力が増したことが、金メダルにもつながったと思う」と話し、「もうアラフォーになりますが、まだまだ頑張ります」と今後の活躍も誓った。
パラバドミントンWH1でシングルス金メダル、山崎とのダブルスでも金メダルを獲得した里見は「パリパラリンピックでもシングルス、ダブルスどちらも金メダルをめざしているので、来年のパラレースに向けてしっかり成績を残していきます」とコメント。山崎も「パリパラリンピックで金メダルが取れるよう、より一層頑張っていきます」と、ともに今後の目標を語った。
また、男子WH2クラスのシングルスで金メダルを獲得した梶原大暉は、「この1年は、パリパラリンピックのポイントレースに向けて重要な1年になります。出場する国際大会すべてで優勝できるように泥臭く頑張っていきます」と話した。
表彰式では、日本車いすテニス協会副会長の岩﨑満男氏、日本パラバドミントン連盟事務局長の宮田烈一郎氏が祝辞を述べ、それぞれの競技の選手たちが活躍した要因を語り、ヨネックスによるパラ競技への支援に対し、感謝の意を述べた。
ヨネックススポーツ財団は、ジュニアスポーツの振興に関する諸般の事業の推進を図り、心身ともに健全なジュニアアスリートを育成し、明るく豊かで活力に満ちた社会の実現に寄与することを目的に、1998年に設立され、2012年に公益財団法人に移行している。
同財団は、さまざまなジュニアスポーツ事業に対する助成を行なってきており、令和元年にヨネックス株式会社の創業者であり、財団の創設者である米山稔氏が逝去したことに伴い、その遺志に沿い、2022年度よりバドミントン・テニス・ソフトテニスにおいて将来の世界トップアスリートを助成するための事業を新設した。
なお、「米山稔賞」は、その年に活躍した選手や指導者に対し、表彰を行なっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年は該当者なしとなっており、3年ぶりの表彰式開催だった。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部