国内のトップ選手が集う2022日本ランキングサーキット（埼玉・サイデン化学アリーナ）が、5月28日に開幕。トマス杯＆ユーバー杯に参戦したメンバーも出場するなど、ハイレベルな戦いがくり広げられた。大会最終日の6月1日は各種目の決勝が行なわれ、優勝者およびペアが決まった。
【男子シングルス】
日本B代表の奈良岡功大（IMG／上写真）が、小本翔太（日立情報通信エンジニアリング）に2-1で勝利。国内のトップ選手が集う大会で、初優勝を果たした。
レシーブ力が高いうえ、今大会は攻撃的な姿勢が目立つ奈良岡と、小柄ながら抜群の身体能力でコートを駆け回り、全身のバネを使ってジャンピングスマッシュを放つ小本。二人の対決は、会場全体が息を飲む見応えあるラリーが続いた。
第1ゲームは序盤から奈良岡の攻撃的姿勢が得点につながり、11-2と大差をつけて折り返し。落ち着いてシャトルをさばく奈良岡に、小本も16点まで追いすがったが、第1ゲームは奈良岡が先取。後がなくなった小本は、第2ゲーム最初からスピードアップ。得意のラウンドからのクロススマッシュを決めると、雄叫びとガッツポーズで気持ちを高めていく。第2ゲームは21-17で小本が奪い返し、勝負はファイナルゲームへ。
勢いに乗りたい小本（上写真）だったが、序盤からミスが続き、折り返しは11-6と奈良岡がリード。しかし、あきらめない小本が14-14で追いつき、互いに床に倒れ込むほど長い長いラリーの応酬が続く。16オールまで競り合うが、小本のスマッシュがネットにかかって17-16と奈良岡がリード。さらに、ボディへのスマッシュ、フェイントネットなどで得点を重ね、20-17で奈良岡がマッチポイント。最後はサービス周りで先手を取ってのプッシュが決まり、21-17でゲームオーバーとなった。
敗れた小本は床に両ヒザをついたまま立ち上がれず悔し涙。勝った奈良岡は床に大の字になり、笑顔で立ち上がると観客席に向かって両拳を握ってガッツポーズ。そこから歩み寄って健闘を讃え合う二人の姿に、会場から大きな拍手が送られた。
▼決勝（6月1日）
奈良岡功大（IMG）②〔21-12、17-21、21-17〕１●小本翔太（日立情報通信エンジニアリング）
取材・文／平田美穂
写真／黒崎雅久