日本トップ選手が集う2022日本ランキングサーキット(5月28日-6月1日/埼玉・サイデン化学アリーナ)。5月31日は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは混合ダブルス、女子ダブルス、男子ダブルスで決勝に進んだペアのコメントを紹介。
【混合ダブルス】
緑川大輝(右)&齋藤夏(早稲田大/ACT SAIKYO)
準決勝結果:山田尚輝/池内萌絵(NTT東日本/七十七銀行)に2-1で勝利
緑川「普段からナショナルチーム合宿で練習ゲームをしたりしていますが、試合になると、やっぱり変わってくる。そういったことを気にしすぎて、第1ゲームは自分の足が動いていなかったのですが、第1ゲームを取られてふっきれて、第2ゲームに臨めたと思います。全日本総合のときは西川/尾﨑ペアがいなかったので、今回は久しぶりに大会で戦えるので、その二人に勝って優勝したいです」
齋藤「昨日の試合は自分的によくなかったこともあって、挑戦者の気持ちで今日は臨みました。明日は、年上のペアなので、自分たちは挑戦者の気持ちでガンガンいければいいなと思っています」
西川裕次郎(左)&尾﨑沙織(NTT東日本)
準決勝結果:林谷理貴/桶田彩乃(三菱自動車京都/Cheerful鳥取)に2-0で勝利
西川「昨日の準々決勝は、相手のスピードが速い中で自分がゆっくりプレーしてしまい、尾﨑にプレッシャーをかけてしまいました。でも、今日はしっかり最初からスピードを上げて、上から打つようにしていたので、それがよかったかなと思います。去年も決勝に上がりましたが、ボコボコにされて負けてしまいました。相手は違いますが、自分たちの形をしっかり出せるようにしたい。勝ちを意識し過ぎると去年のようになってしまうので、一本一本、どうしていくかを二人で話し合いながら戦って、結果がついてきたらいいなと思います」
尾﨑「昨日は私のパフォーマンスがよくなかったのですが、気持ちを切り替えて戦えましたし、パートナーがすごく引っ張ってくれました。去年からケガが続いていて、私にとって今大会は国内大会の復帰戦。8月に右手の指の腱を痛めて手術をして、11月にはインドネシア遠征で腰をケガ。全日本総合の後に手術をして、長い間練習ができませんでした。今はまだ、動ききれないところがあるのですが、今できることを少しずつやって、優勝できたらいいなと思っています」
【女子ダブルス】
大竹望月(左)&髙橋美優(BIPROGY)
準決勝結果:松本麻佑/曽根夏姫(北都銀行)に2-0で勝利
大竹「A代表の松本選手は、球の質だったり、パワーが全然違いました。でも、その中でも引かずに自分たちから攻めにいけたり、レシーブでもチャンスがあるときにスピードをあげたりできたのがよかったです。遠藤コーチに教わった組み立て方が、やっと少しずつできてきている手応えはあります。自分たちのわからないことに対して、見本を見せてくれるのでわかりやすいですし、それを試合でできると自信になります。今大会の初戦は負けたくないとか、負けられない気持ちが少しあって緊張もしたのですが、準決勝は向かっていくだけでした。自分たちは代表にも入っていないので、失うものは何もない。明日も向かって行く気持ちを持って、自分たちらしいプレーをして優勝したいです」
髙橋「今大会は本気で優勝したいと思って臨んでいるので、競った場面でも絶対に諦めない気持ちとか、どちらかが悪くてもカバーし合う気持ちでできています。2ゲーム目は相手にリードされていたのですが、その気持ちを忘れずできたことが結果につながったのかなと思います。社会人になってからなかなか勝てず、大会もなかったりして、苦しい時期が続きました。でも、遠藤コーチに教わる中で、世界で勝ちたい気持ちが強くなりました。「勝ちたい」じゃなくて「勝つんでしょ」と言われながら、キツいメニューをやってきています。決勝まで来たからには、絶対に優勝したい。でもそれは相手も同じだと思うので、向かって行く気持ちを忘れず、二人でしっかり話し合いながら頑張りたいです」
櫻本絢子(右)&鈴木陽向(ヨネックス/NTT東日本)
準決勝結果:宮浦玲奈/保原彩夏(ヨネックス)に2-0で勝利
櫻本「相手のペアとは1勝1敗で、最近の試合では勝っていたんですけど、そのイメージは忘れて臨みました。今大会を通して、悪い時もあったのですが、いい部分も悪い部分も一度リセットして、今日は今日でベストを出していこうと話していたので、それができたことが結果につながったのかなと思います。全日本総合の時はペアで練習できたのが3日間ほどで、お互いが“未知”でした。でも今は、代表合宿を重ねたり、合宿がない期間はヨネックスチームの練習に来てくれたりして、お互いのことがわかってきました。ひなたちゃんの印象は、半年前とは全然違います。最初はついてくるのに必死だったと思いますが、練習の中で、いろいろな球出しに挑戦しながら、左右ペアを生かせる球出しができるようになったり、スピードにも対応できるようになってきた。今日も助けられた部分がすごくありました。決勝も今日みたいに、出だしから自分たちのペースに持っていけたら。やってきたことを出して優勝できるように頑張りたいです」
鈴木「今大会は2回戦で一度崩れてしまいました。足を使えず、自分たちのペースに持っていけなかったので、それ以降は前半から足を使うことを意識してできていることが結果につながっているのかなと思います。全日本総合の時は櫻本さんに頼ってばかりだったり、自分たちの強みを見いだせずにいたのですが、半年が経って、櫻本さんの球出しに対しての自分の動きだったりがわかってきました。櫻本さんは本番での勝負強さがありますし、一日一日、練習での意識がとても高くて、一緒に練習する中で、自分の意識もすごく高くなりました。そういった部分が、今日みたいな競った場面での自信につながっているなと思います。全日本総合や国際大会では決勝まで行って敗れているので、今度こそ優勝できるように頑張りたいです」
【男子ダブルス】
園田啓悟(左)&金子真大(トナミ運輸)
準決勝結果:緑川大輝/山下恭平(早稲田大/NTT東日本)に2-0で勝利
園田「久保田(友之祐)選手がチームを離れて、今後、金子選手は下農(走)選手と組むことになりますが、ランキングの関係で出場が難しかったので、今回は僕が抜擢された形です。金子選手とはチームでの練習で組む機会はたくさんありますが、大会前にしっかりと二人で練習し始めたのは3週間前くらい。僕自身は疲労などできついですが、ごまかしながらなんとかやっています(笑)。初戦は緊張やプレッシャーなどがどうしてもあるというのを伝えた上で、なんとかそれを乗り越えて、今のところは調子が上がっている状態です。明日ももう1試合、気を引き締めてやっていきたいと思います」
金子「今日は、ネット前でもレシーブでも相手の球がよく見えていたし、最初から最後まで落ち着いてプレーできました。(パートナーである園田選手に)助けてもらいながらですけど、自分の中でも自信になったのかなと思います。ずっと見てきたすごい選手と組むということで、大会序盤はプレッシャーもあったんですけど、組んでいただいたことに感謝してプレーしようと。緊張はありましたが、やるしかないと覚悟を持ってできています。去年までは勝たなくてはいけないという気持ちが強すぎて、それが自分の邪魔をしていた。今は練習でやっていることを少しでも出せればいいという感覚でコートに入っているのが、去年との違いかなと思います。明日もプレーできるので、もう一回、楽しもうという気持ちで出し切りたいです」
緒方友哉(左)&柴田一樹(NTT東日本)
準決勝結果:馬屋原大樹/村本竜馬(ジェイテクト)に2-0で勝利
緒方「相手は勢いがあって、ノーロブが強い。昨日の武井優太/遠藤彩斗ペア(明治大)との準々決勝でもそうでしたが、相手の得意な形にさせないように意識して戦いました。焦らず二人で話し合って、自分が前に入って柴田に後ろで打ってもらう形ができたのがよかったです。決勝も、しっかり二人で対策を練って挑戦したい。自分たちは日本代表に入っているわけでもないですし、向かっていくだけ。自分たちが代表になるためには結果が大事なので、全日本総合や代表入りにつながる結果が出せるように、もう1試合、頑張りたいです」
柴田「昨日の試合もそうでしたが、今日も相手の得意なプレーをさせないことを意識して冷静にできたのがよかったです。昨年の全日本総合はベスト4。同じベスト4の武井/遠藤ペアなど若いペアがB代表に選ばれて、若いから仕方がないと思う半面、悔しさがすごく大きかったです。でも、そのおかげでまた自分たちが頑張るきっかけになったので、今大会はその悔しさを忘れずに、最後まで戦いたい。まずはB代表に入れるように、明日もいいアピールができるようにパートナーと頑張っていきたいです」
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/黒崎雅久