国内のトップ選手が集う2022日本ランキングサーキット大会（埼玉・サイデン化学アリーナ）が、5月28日に開幕。トマス・ユーバー杯に参戦したメンバーも出場するなど、ハイレベルな戦いがくり広げられている。大会3日目の30日は各種目の準々決勝が行なわれ、ベスト4が出そろった。
【男子シングルス】
2回戦では長身選手に2-1とやや苦戦した、全日本総合優勝の田中湧士（NTT東日本）。この日はベテランの小野寺裕介（BIPROGY）に対し、素早いフットワークで動き、スピード感あふれるラリーを展開。最後はジャンピングスマッシュをクロスに打ち込み、気持ちよく準決勝進出を決めた。
準決勝で田中の相手となるのは、小本翔太（日立情報通信エンジニアリング）。田中と同チームの古賀穂（NTT東日本）に対し、全身のバネを生かしてスマッシュを打ち、持ち味のダイビングレシーブも披露しながらラリーを奪ってストレート勝ち。上下動の少ない滑らかなフットワークを誇り、レシーブからの球回しが巧みな古賀だが、小本の勢いを止められず。昨年からの連覇はならなかった。
大林拓真と下農走（ともにトナミ運輸）の同チーム対決は、2-1で大林が勝利。最後まで力強いスマッシュを主体にラリーを組み立て、フィジカルの強さとアキレス腱断裂からの完全復活をアピールした。敗れた下農だが、多彩なレシーブを披露。ストレートとクロス、ロングとショートとキレイに打ち分けてチャンスを作り、満を持してスマッシュをたたき込む展開は見事だった。自身のツイッターでダブルス転向を宣言しており、新たな種目での活躍を心から期待したい。
長い戦いを経て最後に準決勝進出を決めたのが、第1シードの奈良岡功大（IMG）。今大会は攻撃的なラリーが目を引くが、スピード勝負では五十嵐優（BIPROGY）も負けてはいない。第1ゲームは奈良岡が21-13で奪うも、第2ゲームは最後の1点が取れず、23-21で五十嵐が奪取。ファイナルゲームも息詰まるラリーが続いたが、攻撃的な姿勢と正確さを貫いた奈良岡が20-9と大きくリード。最後はヘアピン合戦から五十嵐がプッシュしたシャトルを、奈良岡がブロックしてコート奥へ。勝利が決まると応援席に向かって笑顔を見せ、拳を突き上げた。昨年の準優勝を越える頂点に向けて、気合は十分だ。
▼準々決勝（5月30日）
奈良岡功大（IMG）②〔21-13、21-23、21-9〕１●五十嵐優（BIPROGY）
大林拓真（トナミ運輸）②〔16-21、21-10、21-7〕１●下農走（トナミ運輸）
小本翔太（日立情報通信エンジニアリング）②〔21-18、21-11〕０●古賀穂（NTT東日本）
田中湧士（NTT東日本）②〔21-15、21-11〕０●小野寺裕介（BIPROGY）
▼準決勝（5月31日）
奈良岡功大（IMG） − 大林拓真（トナミ運輸）
小本翔太（日立情報通信エンジニアリング） − 田中湧士（NTT東日本）
取材・文／平田美穂
写真／黒崎雅久