「第50回全国高校選抜大会」は3月26日、大会2日目を迎えて男女ともに栃木県宇都宮市の日環アリーナ栃木で団体戦の準々決勝から決勝戦までが行なわれた。ここでは、ふたば未来学園(福島)が優勝を果たした男子のダイジェストをお伝えする。
【男子団体ダイジェスト】
準決勝へと駒を進めたのは、ふたば未来学園、東大阪大柏原(大阪)、瓊浦(長崎)、高岡第一(富山)の4チーム。いずれも危なげない勝ち上がりを見せた。続く準決勝は3面展開で行なわれ、それぞれの試合がほぼ同時にスタート。先に決勝進出を決めたのは高岡第一だ。昨年のインターハイ準々決勝でストレート負けを喫した瓊浦に対し、3-0でリベンジ。第1ダブルスに出場した大田隼也/佐々木大樹の気迫が他のメンバーも勢いづかせ、次々と競り合いをモノにした。
一方の準決勝は、ふたば未来が東大阪大柏原を3-1で撃破。ふたば未来は第1ダブルスこそ落としたものの、第2ダブルスとシングルス2本を制して勝利。チームの大黒柱である齋藤駿が単複で白星をつかんで優勝に王手をかけた。
ともに勢いのあるチームがぶつかり合った決勝は、シングルス勝負にもつれる熱戦となった。3面展開で試合がスタートする中、先にリードを奪ったのはふたば未来だ。第2ダブルスの崎野翔太/関根翔太が野村光河/米隆斗を18本、19本で打ち破ると、これまで無敗を誇る1年生の谷岡大后が2年生の松久知弘を2-1で撃破。この時点で、第1ダブルスの齋藤駿/岩野滉也は大田/佐々木とファイナルゲームの終盤まで競り合っていたが、18-21で敗戦。「最後は相手の勢いに押されてしまった」(齋藤)。
それでも、気持ちは切れなかった。わずかな休憩を挟んで齋藤と岩野は同時にシングルスのコートへ。齋藤は第2シングルス、岩野は第3シングルスでともに第1ゲームを圧倒すると、第2ゲームも質の高いショットから試合を優位に進めていく。どちらが先に優勝を決めるか注目が集まる中、勝負はほぼ同時に決着。まず齋藤がスマッシュを沈めると、その数秒後に岩野も渾身の一撃を相手コートに突き刺してフィニッシュ。ふたば未来が春の優勝をつかみ取った。
【優勝コメント】
星大智監督
「大会前、いつも通りの練習ができない期間があり、様々な不安要素がありました。その中でも大会に出場し、優勝することができてホッとしています。準決勝も決勝もダブルスを落としてしまう場面はありましたが、なんとか選手たちが踏ん張ってくれた。今大会は(気持ちで)“押せ”というのをテーマにしてきたので、しっかりとポイントを取れた試合は、勝負所で引かずにできていたかなと思います。ただ、昨年のインターハイで優勝した時に比べれば、チーム力がまだ足りない。夏までに、みんなでやるぞという気持ちをもっと高めてほしいです」
齋藤駿キャプテン
「3年生が抜けて新チームになりましたが、インターハイチャンピオンとして、今回も負けるわけにはいかないという気持ちでした。チームとしては、受け身にならずに勢いを出して、気持ちで押していけたのがよかったと思います。大会前にあまり練習できない時期があって不安もありましたが、優勝したい気持ちはどこより強かったと思う。個人的には、決勝でダブルスを取れなかったのは悔やしい。夏に向けて、これまでと同様に“圧倒的な強さ”をめざして取り組んでいきたいです」
【26日の結果】
▼準々決勝
ふたば未来学園(福島) 3-0 金沢市立工(石川)
東大阪大柏原(大阪) 3-0 名経大市邨(愛知)
瓊浦(長崎)3-0 札幌龍谷学園(南北海道)
高岡第一(富山) 3-0 自由ケ丘(福岡)
▼準決勝
ふたば未来学園 3-1 東大阪大柏原
高岡第一 3-0 瓊浦
▼決勝
ふたば未来学園 3-1 高岡第一
齋藤 駿/岩野滉也●1〔21-13、13-21、18-21〕②大田隼也/佐々木大樹
崎野翔太/関根翔太②〔21-18、21-19〕0●野村光河/米隆斗
谷岡大后②〔15-21、21-14、21-13〕1●松久和弘
齋藤 駿②〔21-12、21-5〕0●大田隼也
岩野滉也②〔21-8、21-12〕0●山本隼也
※2コート並行試合でS2、S3は同時に終了。スコアは有効だがマッチカウントは3-1
◆男子団体の結果(トーナメント表)はこちら
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人