2月6日に開催されたJTB S/Jリーグ2021の大会2日目は、熊本会場と八代会場に分かれて男女2回戦が行なわれた。この日、八代会場で行なわれた男子の試合は、S/J5連覇をめざすトナミ運輸が2-1でジェイテクトを破り、11日に東京大会で行なわれる準決勝進出を決めた。
男子ダイジェスト
八代大会
トナミ運輸は、第1ダブルスに東京五輪ベスト8の園田啓悟/嘉村健士(上写真・左)を起用。嘉村は今春に退社予定、園田も第一線を退く意向で、今大会が「ソノカム」ペアとして最後の舞台になる。五輪以来となる公式戦で、嘉村が「練習もあまりしていなくて、自分が出て大丈夫か、勝てるかという心配があった」と話したように、出だしは動きが硬く、またジェイテクトの小林晃/宮嶋航太郎の球出しによって園田が後衛に回れなかったこともあり、11-10と互角の展開でスタート。しかし、そこから得意の低空戦でペースアップ。嘉村が雄たけびをあげながら強打を連発し、21-14と一気に突き放した。第2ゲームも相手ペアのねばりにあって楽には試合を運べなかったが、21-15で勝ちきった。
八代東高校出身の2人にとっては、地元凱旋。園田は「無観客開催ではあったけど、自分たちらしいプレーを届けられたらと思って試合に入った。この体育館は、小学生から高校まで試合をしてきた場所。ここで最後の大会ができてうれしい」と感慨に浸った。3月に退社する嘉村は「自分たちもトナミ運輸のソノカムとして出るのは最後になると思うので、寂しい気持ちはあるけど、チームが優勝することが一番。その一員になれるようにどんなところでも頑張りたい。みんなで戦っていけば、いい形で終われると思う。(日本リーグから改称して)S/Jリーグになってからは、トナミ運輸しか優勝していない。王座は渡せない。5連覇をめざしてチームの全員で頑張りたい」と日本最強の称号を守り通す気概を示した。
シングルスは、内定選手の大林拓真(早稲田大学)を起用。野田悠斗と対戦し、第1ゲームは、終盤にミスが続く場面こそあったが、勢いのあった前半のリードを生かして21-10で先取。第2ゲームは、中盤まで競る展開だったが、21-15で押しきった。大林は「意外と緊張せず、向かっていくだけだったので楽しくできた。大学に入って1年の時は、向かっていく姿勢があって試合もたくさん出れて勝率も高かったけど、学年が上がると結果が出なくなった。社会人では、勢いを保てるように頑張りたい」と日本一のチームで自身も躍進のきっかけをつかむ意気込みを語った。
トナミ運輸の勝利が確定した後の第2ダブルスでは、トナミ運輸が保木卓朗/下農走のペアを起用。保木は、小林優吾とのペアで昨年12月の世界選手権を初優勝。下農は、シングルスからダブルスへの転向を明らかにしてから初の試合だった。保木が前衛、下農が後衛に入る形で戦ったが、序盤から勢いのあった北林悠/市川和洋に21-23で押しきられて第1ゲームを失うと、第2ゲームもリードする展開になかなか持っていけず、18-21で奪われた。ジェイテクトは、この大会で現役を引退する北林が市川と一矢を報いた。
勝ったトナミ運輸は、11日の準決勝で日立情報通信エンジニアリングと対戦する。主将の保木は「チーム戦で、どういうオーダーになるのかわからないのがS/Jリーグの楽しみ。ファンの方には、そこも楽しんで見ていただきたい。トナミ運輸としては5連覇がかかっているので、チーム一丸で頑張っていきたい」とタイトル奪取にかける気持ちを明かした。長くチームを引っ張ってきた園田/嘉村を送り出す大会で有終の美を飾れるか、戦いぶりが注目される。
▼2回戦(2月6日)
トナミ運輸 2-1 ジェイテクト
園田啓悟/嘉村健士②〔21−14、21−15〕0●小林晃/宮嶋航太郎
大林拓真②〔21−10、21−15〕0●野田悠斗
保木卓朗/下農走●0〔21−23、18−21〕②北林悠/市川和洋
▼準決勝(2月11日)
トナミ運輸 ― 日立情報通信エンジニアリング
NTT東日本 ― 日本ユニシス
▼順位決定戦(2月11日)
三菱自動車京都 ― ジェイテクト
▼9位決定戦(2月12日)
丸杉 ― 東北マークス
▼順位決定戦(2月12日)
東海興業 ― 金沢学院クラブ
取材・文/平野貴也
写真/井出秀人
JTB S/Jリーグ2021
八代大会
(2月5日)
熊本大会
(2月6日)