日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。世界選手権(スペイン・ウエルバ)に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【女子ダブルス】
決勝戦、最初にセンターコートに入ったのは女子ダブルス、宮浦玲奈(上写真・右)/保原彩夏(ヨネックス)vs櫻本絢子/鈴木陽向(ヨネックス/NTT東日本)。保原と櫻本がサウスポーという左右ペア対決だ。
結成2年目の宮浦/保原は、結成1週間の櫻本/鈴木の真ん中や、ローテーションのすき間を的確にねらう。さらに、片側に寄せて逆サイドに打ち込み、ラリーを支配。4人の中で一番若い鈴木に対しては、フォア、バックとコースを散らしてレシーブミスを誘うなど、明確なねらいを持って得点を重ねていく。鈴木自身、「相手のペースで攻められて引いてしまって、レシーブが思うようにできなかった」と振り返ったが、A代表の櫻本が放つ強烈なショットに合わせてネット前に飛び込むなど、気持ちの強さも見せた。点差が離れず進んだ第1ゲームは終盤、櫻本/鈴木が連続してセンターをねらわれ失点。宮浦/保原が21-17で先取した。
第2ゲーム序盤は、櫻本(上写真・右)/鈴木が相手の真ん中に集めて4-0とリード。しかし、宮浦/保原がネット前に積極的に出ていくようになる。競り合う展開から、インターバルは11-9で櫻本/鈴木がリード。しかし、インターバル明けの中盤以降は、宮浦/保原がドライブレシーブから攻撃に転じるなど、スピードを上げて得点を奪っていく。前衛に入った選手が相手のリターンをつかまえ、ラリーのテンポをさらに上げる。「速く攻め続けることを意識した」(保原)という宮浦/保原が、11-12から連続9得点で20-12。初優勝を目前に連続3失点で20-15と迫られたが、「昨年の2回戦敗退以来、絶対にB代表に入るんだという気持ちでやってきた」(宮浦)という二人。的確なねらいで攻め続け、最後は相手のつなぎ球がネットにかかって21-15。ゲームオーバーを迎えると、満面の笑顔で両手を握り合った。
▼決勝戦
宮浦玲奈/保原彩夏(ヨネックス)②〔21-17、21-15〕0●櫻本絢子/鈴木陽向(ヨネックス/NTT東日本)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳