「思い切ってプレーできないままだと後悔すると、声を出していった」(田中湧士) 全日本総合バドミントン2021 決勝/選手コメント2

第75回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)は12月30日の最終日、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの決勝戦が行なわれた。男子シングルスは、田中湧士(日本大)が優勝。下記は優勝後の記者会見でのコメント。

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田中湧士(日本大)

決勝結果:奈良岡功大(IMG)に2-0で勝利

――試合を振り返って。

1ゲームは空調の影響をもろに受けてしまって、修正できずに終わって苦しい展開でした。2ゲーム以降、シャトルが飛ばないほうからの戦い方はよかったかなと思っています。ファイナル最初、自分がやりにくいほうのコートでリードできたのが大きかったです。全体として2ゲーム以降で主導権を握るラリーができたと思います。

――2ゲーム目以降、声を出して、攻める姿勢が相手を押していた

そうですね、1ゲーム目のように、自分が思い切ってプレーできないままだと後悔する、もったいないと思ったので、2ゲーム目以降、声を出していきました。

――1年の総括と今後の抱負

今年1年苦しい時期が続いていて、なかなか勝てない状況でした。きつかったけど、この試合で最後、自分の力が出せて、結果として優勝できてよかったと思っています。今後の目標はオリンピックで優勝すること、金メダルをとることが目標なので、それに向けてまず小さい国際大会から優勝していきたいと思っています。

――苦しい時期が続いたとは、具体的には。

今年のランキングサーキット1回戦で、今回4強に入っている高橋選手に負けたこと。学生の大会では東日本が4強、インカレは8強と結果が出ないのが一番苦しかったです。原因として、自分の性格的にも日常的にしっかりやっていないと、試合で不安になるんですが、そういった部分でも負けている部分があったと思います。遊びたい、疲れたな、とか、当たり前のことで負けていて。原因は分かっていても克服できずに苦しい1年でした。

――そんな中、今回ここまで結果を出せた大きな理由は

一番の大きな要因は練習環境が変わったことだと思います。これまで大学で練習してきましたが、ここ1カ月、(卒業後に所属予定の)NTT東日本のチームで練習させていただいて、意識の高いなか、技術、体力面で自分より上の人と一緒に練習できたことがプラスになりました。

――国際大会での活躍に向け、課題は

自分はスマッシュを打つようなプレーヤーだと、みなさん思っていらっしゃると思いますが、それ以外の当たり前のカット、クリアー、ヘアピン、ロビング…これらのクオリティをもっと上げて、精度を上げていかなければいけないと思っています。

-――インカレは2年で優勝。総合での初タイトルをどう感じますか

準決勝くらいから、全日本総合で優勝というのはまだまだ、夢のまた夢のような気持ちもありました。今回。A代表がいらっしゃらないなかではありますけど、それでもやっぱり、すごく重みのある優勝だったと思うので、前日、前々日くらいからちょっと意識していたというか、「優勝したらやばいな…」と思っていました(笑)。

――ウイニングランをしたときの気持ちは

あまり慣れていなくて…。自分はまだまだそこまでいっている選手じゃない。課題、やることがいっぱいあるなかで、頑張って1本、シャトルを落とさないようにしてきました。そこで結果がついてきただけと思っているので、恥ずかしい部分もありましたが、応援してくださった人への感謝の気持ちでいっぱいでした。

構成・写真/バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2021/12/30

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