日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。世界選手権（スペイン・ウエルバ）に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】
3連覇をねらう奥原希望（太陽ホールディングス／上写真）の決勝の相手は、準決勝の接戦を制して勝ち上がった水井ひらり（NTT東日本）。第1ゲームから主導権を握ったのは、女王の奥原。鋭いカットで5連続ポイントを奪い9-2にすると、その後も巧みなラケットワークで水井を翻弄。迷いながらのプレーとなった水井は挽回のチャンスをつかめず、第1ゲームを奥原が21-14で制した。
続く第2ゲームも奥原のペースは変わらない。ラブ・オールから6連続ポイントで差を広げると、その後も女王の独壇場に。水井（上写真）も力強いクリアーや強打でチャンスを探ったが、奥原は冷静に対応。東京オリンピック後は右足首のケガの影響で試合に出られなかった奥原だが、そのブランクを感じさせない軽やかなフットワークで水井のショットをことごとく拾う。中盤は奥原が11-5とリードを奪い、さらにここからスピードアップ。第1ゲームに比べて長いラリーに持ち込む展開が増えた水井だったが、なかなかリズムをつかめず防戦一方に。表情を変えずに淡々と得点を重ねた奥原が、最後は強烈なスマッシュを叩き込み21−11で勝利。「毎日が不安で、苦しい戦いだった」と試合後に振り返った女王が、見事総合3連覇を果たした。
▼決勝
奥原希望（太陽ホールディングス）②〔21−11、21-11〕０●水井ひらり（NTT東日本）
※奥原は5回目の総合優勝。同種目の3連覇は2008〜10年の廣瀬栄理子以来、史上6人目
準優勝：水井ひらり（NTT東日本）
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳