日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）5日目は、各種目の準決勝が行なわれた。世界選手権（スペイン・ウエルバ）に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】
3連覇に向けてあと2勝とした女王・奥原希望（太陽ホールディングス／上写真）。準決勝は、昨年の総合準決勝でも対戦している佐藤冴香（ヨネックス）との勝負となった。
第1ゲームは、序盤に動きの硬さがあった奥原に対し、前後の揺さぶりで得点を重ねた佐藤が8-4。チャンスをうまく引き出しリードを奪って試合を進める。しかし、中盤以降にショットコントロールが定まってきた奥原も、「高さに気をつけて配球できた」というように、佐藤の攻撃を抑えながらポイントをつかみ15-16に持ち込む。すると、ここから奥原が3連続得点で逆転に成功。そのまま振り切り、21-19で第1ゲームを奥原が制した。
第2ゲームに入ると、両者ともにスピードを上げて激しいラリーを展開。「お互い（ケガなどで）コンディションはよくなかった」という奥原だが、10-8から4連続ポイントで点差を離す。佐藤も持ち前のスマッシュやカット、クリアーで押し込もうとしたが、後半は奥原が試合をコントロール。「私たちらしい我慢比べの試合」（奥原）という勝負をモノにした女王が、21-12で佐藤を破り決勝進出を決めた。
反対の山では、日本A代表の髙橋明日香（ヨネックス）と、B代表の水井ひらり（NTT東日本／上写真）が激突。ふたば未来学園中・高校時代の先輩、後輩にあたる二人の勝負は、第1ゲームを髙橋が25-23で先制。しかし、第2ゲームは冷静な球回しで主導権を握った水井が21-17で奪い返すと、ファイナルゲームもペースを落とさなかった水井が再び先行。最後は21-14で先輩を下した水井が、総合決勝の切符をつかみとった。
▼決勝
奥原希望（太陽ホールディングス） − 水井ひらり（NTT東日本）
▼準決勝
奥原希望（太陽ホールディングス）②〔21-19、21-12〕0●佐藤冴香（ヨネックス）
水井ひらり（NTT東日本）②〔23-25、21-17、21-14〕1●髙橋明日香（ヨネックス）
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／井出秀人