日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)5日目は、各種目準決勝が行なわれた。世界選手権(スペイン・ウエルバ)に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【男子シングルス】
総合初優勝に挑む4名で争われた準決勝。第1シードの古賀穂(NTT東日本)を破ってベスト4に進出した田中湧士(日本大/上写真)は、トナミ運輸の下農走と対戦。勝てばどちらも初の決勝進出となる勝負、その第1ゲームを先制したのは田中だ。左腕から豪快なスマッシュを繰り出す下農に対して、ねばり強いレシーブから好機をつくり21-15で奪い取る。第2ゲームに入っても、田中が主導権を握る展開。連続ポイントなどで10-6とリードして試合を進めると、中盤にも5連続得点で17-10。負けられない下農もスピードを上げて点差を詰めたが、最後は田中が逃げ切って勝利。決勝の切符は、大学生の田中がつかみとった。
もう一方の山では、快進撃をみせる高橋洸士(トナミ運輸)と、第2シードから順当に勝ち上がってきた奈良岡功大(IMG/上写真)が対戦。高校時代にも対戦している同級生の二人は、過去の成績では奈良岡が勝ち越し。この試合でも序盤からペースを握った奈良岡が第1ゲームを21-10で制すと、第2ゲームも日本代表としての貫禄を見せて21-11。「同い年で緊張したけど、点数を抑えて勝つことができてよかった」と振り返る奈良岡が、総合で初の決勝進出を決めた。男子シングルス頂上決戦は22歳の田中と20歳の奈良岡、大学生の二人が激突する。
▼決勝
田中湧士(日本大) − 奈良岡功大(IMG)
▼準決勝
田中湧士(日本大)②〔21-15、21-16〕0●下農走(トナミ運輸)
奈良岡功大(IMG)②〔21-10、21-11〕0●高橋洸士(トナミ運輸)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳