日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。世界選手権（スペイン・ウエルバ）に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】
各種目で新鋭選手らの活躍が目立つ中、女子シングルスは上位候補の選手らが順当に準決勝に進出した。第1シードの奥原希望（太陽ホールディングス／上写真）は、NTT東日本の大家夏稀を8本、19本に抑えて勝利。第2ゲームは10-8から13-17とリードを許す場面もあったが、「2ゲーム目で逆転されたけど、そこから我慢できた」と、後半は7連続得点を奪って勝利。足首のケガの状態も完全ではないものの、女王の貫禄を示してベスト4進出を果たしている。
第2シードの髙橋明日香（ヨネックス／上写真）、第3シードの水井ひらり（NTT東日本）も順当に準決勝に駒を進めた。髙橋は仁平菜月（トナミ運輸）とのB代表対決を制している郡司莉子（再春館製薬所）を、2-0のストレートで撃破。「この大会はどの種目も出だしで決まることが多い」と、序盤の試合運びに注意しながらラリーを制し、勢いのある若手をストップ。高橋は「乗ってくる相手に対して引かずに勝ち抜けた」と勝利を振り返った。
その高橋と準決勝で激突する水井（上写真）は、ベテランの鈴木温子（丸杉）を2-1で制した。経験豊富な鈴木に対し「負けられないと、力んでしまった部分もあった」と話した水井。ファイナル勝負になった競り合いを抜け出し、ベスト4に勝ち進んだ。準決勝では、ふたば未来学園高時代に切磋琢磨した先輩・後輩の二人が、決勝の切符をかけて争う。
女子シングルス準決勝の最後の枠を手にしたのは、2016年女王の佐藤冴香（ヨネックス）だ。準々決勝では、混合ダブルスB代表ながら、女子シングルスでもしっかり勝ち進んできた池内萌絵（七十七銀行）を、21−15、21−18に抑えて勝利。準決勝は、前回大会の準決勝で敗れた奥原が相手。互いに万全の状態ではないが、「私と奥原の最後の対戦をお客さんに楽しんでもらいたい」と、集大成となる戦いに向けて笑顔で語った。
▼準決勝
奥原希望（太陽ホールディングス） − 佐藤冴香（ヨネックス）
水井ひらり（NTT東日本） − 髙橋明日香（ヨネックス）
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳
