日本の頂点をかけて争われる第75回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。世界選手権(スペイン・ウエルバ)に出場した日本代表選手らは不参加となったが、国内の各カテゴリーのトップ選手らが集結。日本一をめざして白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、各種目のダイジェストを紹介する。
【男子シングルス】
誰が勝っても初優勝となる男子シングルス。その準々決勝を制したのは、若きフレッシュな選手たちだ。今大会、台風の目として勝ち上がったのは、二十歳の高橋洸士(トナミ運輸/上写真)。初戦で元日本代表の坂井一将(金沢学院クラブ)を2-0のストレートで下し、2回戦も高校生の武井凜生(ふたば未来学園高)をファイナル勝負の末に退けた。準々決勝の相手は、日立情報通信エンジニアリングの小本翔太。互いにラリー戦を持ち味とする二人の対決は、高橋が第1ゲームを奪われた後の第2、第3ゲームを「ラリー戦に持ちこんで」取り返し、2-1の逆転勝利。総合初の準決勝進出を決めた。
高橋と同級生の奈良岡功大(IMG/上写真)も、準々決勝で竹内宏気(丸杉)との勝負に挑み、21−15、21−11で勝利。竹内は今大会3種目に出場する中、男子シングルス2回戦で元日本代表の五十嵐優(日本ユニシス)をファイナル勝負の末に下しベスト8入り。奈良岡は勢いのある相手との対戦となったが、ここは相手の疲労度も考え、大きな展開からポイントを重ねて2-0で制した。初優勝に向けてあと2勝とした奈良岡。準決勝では、過去の対戦で勝ち越している高橋と激突する。
反対の山では、第1シードの古賀穂(NTT東日本)が敗れた。その古賀から殊勲の勝利をつかんだのは、同じ日本B代表の田中湧士(日本大/上写真)だ。前回の総合でベスト4に入った田中は、古賀との第1ゲームを21-18で先制。第2ゲームは相手にうまく試合を運ばれ奪い返されたが、最終ゲームは田中が12-9から連続得点で抜け出し勝利。2大会連続となる準決勝進出を決めている。
若手の活躍が目立つ中、もう一つのベスト4に進出したのが下農走(トナミ運輸/上写真)だ。日本A代表が不在の中「B代表として、また常勝・トナミ運輸の最年長として勝ち上がる」気持ちで臨んだという24歳は、日本ユニシスの小野寺裕介に2-0勝ち。第1ゲームを制した後の第2ゲーム、18-20と追い込まれた場面から逆転に成功。苦しい勝負をモノにして上位進出を果たした。準決勝では田中と決勝をかけて争う。
▼準決勝
田中湧士(日本大) − 下農走(トナミ運輸)
高橋洸士(トナミ運輸) − 奈良岡功大(IMG)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳