日本一を決める「第75回全日本総合選手権」が、12月25日に開幕した。東京・武蔵野の森総合スポーツプラザを舞台に、12月30日の決勝戦まで熱戦が展開される。大会2日目の26日は、各種目1回戦を実施。ここでは、注目選手などのコメントを紹介しよう。
佐藤冴香(ヨネックス)
1回戦結果:中静朱里(NTT東日本)に2-0で勝利
相手は若手の選手で自分に向かってくるガッツがあるので、簡単には勝てないと想定して入りました。2ゲーム終盤に接戦になって少し焦ったところはありましたが、勝ち切れてよかったです。個人戦としては今回の全日本総合が最後だと思っています。無観客だった去年の総合後、引退も考えましたが、やはりお世話になった方にじかに見てもらって引退したいという思いが強かったので、この1年、もう一度頑張るという気持ちでやってきました。古傷の左ヒザは、ここ2カ月くらい状態がよくないのですが、全日本総合にはなんとか間に合った。痛むときはありますが、ここを踏ん張って、なんとかヒザがもってくれれば。
全日本総合は高校3年から出させてもらって、日本一を決める日本で一番大きな大会。ここで終われるのは幸せなことです。昨日寝る前に今までのことを思い出して、つらいことや負けることのほうが多かったですけど、“それを乗り越えて31歳までできたことは幸せなこと。明日は楽しもう”と思った。今日勝てて本当によかったです。
下田菜都美(広島ガス)
1回戦結果:舛木さくら(作新学院高)に2-0で勝利
この体育館で試合をするのが初めてで、シャトルの飛びやコートの感覚をつかむには、いいゲームになったのかなと思います。去年、全日本総合で3位に入って、ナショナルチームで今別府(香里)コーチに指導してもらって、今別府コーチは全日本総合を制しているので、その喜びなどを聞いて、より全日本総合という舞台で優勝をめざしたいという気持ちが強くなりました。B代表になって、プレッシャーを背負いながらも、応援してくださる方が増え、楽しく戦うという意味や強さをあらためて感じることができています。
髙橋明日香(ヨネックス)
1回戦結果:明地陽菜(柳井商工高)に2-0で勝利
相手は高校生でしたけど、総合に出場するからには高校生でも強い相手。楽に勝てないと思って入りました。ただ、全体的に相手主導のラリーをさせてしまって、相手に合わせてしまっていた。そこでの失点が多かったなと思います。今年の総合はいつもとは違って、トップ選手の出場が少ない中での大会なので、自分も他の選手も優勝のチャンスがある大会だと思います。どの選手も絶対に取るぞと思っていると思うし、自分自身もしっかりそのなかで勝ち抜けるように。奥原さんはいますけど、まずはそこまで行けるように、頑張っていこうと思います。
取材・文/吉井信行、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳