12月13日に開始されたBWF世界選手権2021(スペイン・ウエルバ)2日目は、各種目1回戦が行なわれた。日本代表が順当に白星を重ねる中、海外勢ではオリンピック金メダリストが敗れる波乱が起こった。
▼選手コメント
2日目(12月13日)
常山幹太
▼試合結果
3連覇が期待された桃田賢斗が欠場し、混戦を極める男子シングルス。その第2シードで、東京オリンピック金メダリストに輝いたビクター・アクセルセン(デンマーク)が、シンガポールの新鋭、ロー・ケンイゥにファイナル勝負の末に敗れ、初戦で姿を消すことになった。
アクセルセンは12月3日のBWF(世界バドミントン連盟)年間アウォーズで、男子部門の最優秀選手賞を受賞。ワールドツアーファイナルズ2021でも、タイのクンラビット・ビティサランを決勝で破り、ツアー年間王者の称号を手にしていた。2年ぶりの開催となった世界選手権では2017年優勝以来、2回目の世界一への挑戦となっていたが、大会前は「通常の世界選手権は大会前に練習をして、いい状態で出場することができていた。でも今回は、9月以降に多くの大会に出場し、この間までアジア遠征もしている。これまでとはまったく異なる状況で戦うことになる」と話していた。東京オリンピック以降、国際大会の過密スケジュールによって、選手はケガや疲労による棄権を余儀なくされており、オリンピック王者も連戦が続く中での世界選手権出場だった。
試合は第1ゲームこそアクセルセンが21−14で奪ったものの、第2ゲーム、第3ゲームはロー・ケンイゥが主導権を握って逆転勝利。「2、3ゲームはすべてがバラバラ。調子が上がる相手に対して、私はどんどん落ちていった」とアクセルセン。連戦の疲れからか「気持ちとしては、やや燃え尽きている感じがする」と、現在の心境も吐露している。
一方、アクセルセンを破った世界ランク22位のロー・ケンイゥ(上写真)は、10月のハイロOP(ドイツ/Super500)でツアー上位大会を初制覇。11月のインドネシアOP(S1000)でも決勝に進出するなど、いま勢いに乗る若手選手の一人。インドネシアOP決勝ではアクセルセンに敗れて準優勝に終わったが、世界選手権という大舞台で金星奪取に成功。「勝つことができて本当にうれしい」と喜びを語る24歳は、次戦でオーストリア選手と対戦する。
このほか、男子シングルスのシード選手では、大会初日に世界ランク12位の王子維(ワン・ツーウェイ)や、前回世界選手権ベスト4のサイ・プラニース・B.(インド)が敗戦。2日目も香港の伍家朗(ン・カロン)が初戦敗退となっている。今後も各種目でシード選手が敗れる場面も出てきそうだ。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO