10月17日に大学生の日本一決定戦となる全日本学生選手権(インカレ)団体戦が、奈良県奈良市・ロートアリーナ奈良、桜井市・芝運動公園総合体育館で開催された。インカレの団体戦は2018年以来、実に3年ぶりの実施。2019年は台風の影響で団体戦が中止(個人戦は実施)となり、昨年は新型コロナウイルス感染拡大によって大会そのものが中止となった。今回、久々の団体戦で熱戦を繰り広げた大学生たちの戦いをレポートする。
※個人戦は10月21日(木)に準決勝・決勝戦を実施!
【女子団体】
女子団体の準決勝に進出したのは、関東の筑波大と明治大、そして関西の龍谷大と立命館大の4校。筑波大は2014年〜18年まで5連覇を継続しており、19、20年の中止を挟みながら6連覇に挑む。一方、17、18年はその筑波大に決勝戦で敗戦している龍谷大は、リベンジに向けて虎視眈々。準決勝は、筑波大が立命館大との接戦を3-2で切り抜けて決勝へ。龍谷大も、インカレ上位常連の明治大を3-0で退けて、頂上決戦に駒を進めた。
3大会連続となる筑波大と龍谷大の決勝戦。第1、2シングルスは、筑波大の栗原あかり、佐川智香(上写真)が連勝。第1シングルスの栗原が龍谷大の生木萌果から2-0のストレート勝利を奪って勢いをつけると、第2シングルスの佐川も、龍谷大の黒岩はるなから第1ゲームを21-13、第2ゲームも20オールとなった接戦を23-21でモノにし、筑波大が2-0で王手をかける。
5回目の団体決勝で初制覇をねらう龍谷大は、第1ダブルスの佐藤灯(上写真・左)/植村理央が堅いディフェンスから勝利ポイントをつかんでみせたが、反撃はここまで。チームの勝敗を2-1とした筑波大は、第2ダブルスに起用された栗原あかり/青木もえが、龍谷大の小林栞菜/生木萌果から第1ゲーム21-14で先取。続く第2ゲームも、ねばる龍谷大ペアを栗原/青木が21-16で振り切り、勝敗を3-1とした筑波大が優勝。大会6連覇を達成した。
大石悠生主将「(関東大学)春リーグ、秋リーグ、そして今回のインカレと、チームとして一つひとつの大会で成長できたと思います。優勝できて本当にうれしかったです。この2年間、団体戦ができなかった中でも、チームとして6連覇という目標は常に持っていました。いろいろなプレッシャーもありましたが、そこに打ち勝てたことはすごく大きいかなと思います。
チームは準々決勝(日体大)、準決勝(立命館大)とも2-2で苦しい状況となりましたが、みんながコートで戦っている選手を信じていたからこそ、勝てたと思います。みんなの気持ちの強さが優勝できた理由です」
▼準々決勝
筑波大 3−2 日本体育大
立命館大 3−0 法政大
明治大 3−0 大妻女子大
龍谷大 3−2 早稲田大
▼準決勝
筑波大 3−2 立命館大
S1栗原あかり●1〔21−13、17−21、13−21〕②近藤七帆
S2佐川智香②〔21−16、21−19〕0●池田志乃
D1溝口なつめ/染谷菜々美②〔21−14、21−15〕0●中島祐月/寺尾奈津実
D2大石悠生/長廻真知●0〔19−21、8−21〕②坂中琴音/兒玉亜依
S3染谷菜々美②〔22−20、21−19〕0●山下玄
龍谷大 3−0 明治大
S1黒岩はるな②〔22−20、21−15〕0●正田捺実
S2生木萌果②〔21−10、21−18〕0●高橋千夏
D1佐藤灯/植村理央②〔21−14、21−15〕0●上杉杏/木村早希
▼決勝
筑波大 3−1 龍谷大
S1栗原あかり②〔21−13、21−9〕0●生木萌果
S2佐川智香②〔21−13、23−21〕0●黒岩はるな
D1染谷菜々美/溝口なつめ●0〔14−21、20−22〕②佐藤灯/植村理央
D2栗原あかり/青木もえ②〔21−14、21−16〕0●生木萌果/小林栞菜
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/宮原和也