9月26日に開幕する世界国・地域別男女混合団体戦スディルマン杯(フィンランド・ヴァンター)に出場する日本代表が、9月21日(火)、出発前の取材に応じた。日本代表は、スディルマン杯のあと、トマス杯・ユーバー杯(10月9日~17日/デンマーク・オーフス)、デンマークOP(10月19日~24日/オーデンセ)、フランスOP(10月26日~31日/パリ)に出場。計6週間の遠征となる。ここでは、朴柱奉日本代表監督のコメントを紹介する。
朴監督 オリンピックでいい成績が出なかったので、本当に残念でしたが、今回は五輪が終わって初めての遠征です。ミーティングでは選手に対して「今回の合宿、遠征からリスタート。リベンジしましょう」と話をしました。今回は6週間の遠征で、コロナで大会の延期が続いて以降、6週間の遠征は初めてです。長い期間で心配です。団体戦に関しては、前回大会は、スディルマンカップ準優勝、ユーバーカップ優勝、トマスカップ準優勝といい結果が出せましたが、今回に関していえば、オリンピック後でケガの選手、代表を辞退した選手もいるので、前回の団体戦メンバーよりは、チーム力としては少し弱いイメージもあります。ただ、チーム戦は何があるかわからないですから、今回のメンバーでベストの成績が出せるように頑張ります。
――キャプテンに桃田賢斗選手、副キャプテンに高橋沙也加選手を選んだ理由は?
朴監督 桃田選手は、今までキャプテンを務めていませんでしたが、オリンピックの成績があまりよくなかったこともあり、何か変化が必要かなと考えました。キャプテンを務めることで、もう少し責任を負うというイメージを持ってみるのも、何か変えるきっかけになるのかなと考えました。高橋沙也加選手はこのメンバーの中では年齢も一番上で、前回のユーバー杯の団体戦メンバーでもあることから副キャプテンを務めてもらうことにしました。
――東京五輪後、代表のリスタート。強化ポイントは?
朴監督 オリンピックのあとで選手は少し休んで、各所属チームで準備してから合宿を行ないました。大きな大会が連続であるのは、久々です。今回はケガをしている選手が参加できませんでしたし、代表を辞退している選手もいるので、今年残りの大会で、日本のベストの結果を出すのは難しいでしょう。ですが、来年の大会に向けてリスタートの意味があります。今回の大会でいろいろと経験し、来年、リベンジできるところまでもっていきたいと思います。男子ダブルスは、メンバーががらりと変わったので、この選手たちがどこまでできるかという部分を今回の大会で、しっかり見ていきたいと思います。いずれにせよ、結果が大事だと思います。
――女子ダブルスは、五輪の2ペアがそろわない。ユーバー杯はどう戦いますか
朴監督 ケガのリハビリ中の廣田彩花選手は、復帰まで6カ月以上はかかるのではないかと思います。松本麻佑選手、福島由紀選手がメンバーのいずれかの選手と組んでダブルス2本をつくれれば十分に強い布陣かと思いますが、今回のユーバー杯の女子ダブルスは、福島/廣田ペア、松本/永原ペアに続く志田千陽/松山奈未ペアがどこまで世界のトップレベルで勝負できるか、チェックすることも大事になってくるかなと思います。
――10月のデンマークOPでは福島/東野有紗ペアというエントリーがあるようですが?
朴監督 廣田選手のケガにより、福島選手が今年残りの試合を経験できないので、今回は2大会(デンマークOP、フランスOPの個人戦)だけ東野選手と組むことになります。福島選手が国際大会の試合勘をキープできるようにというイメージです。
――ユーバー杯では、そのペアは使わない?
朴監督 団体戦は松本選手もいますし、本来、東野選手はミックスダブルスがメインになりますから。
――桃田選手は五輪で残念な結果でしたが、合宿での状態、状況は
朴監督 精神的な部分では、頑張ろうという気持ちが見えました。オリンピックが終わったあと、私も個人的に連絡して、本人も「ゼロからリスタートします」という話をしていました。ただ、オリンピック後に少し休んでいましたから、トップの状態まではまだ少し足りないと思います。スディルマン杯、トマス杯の2つの大会ではマレーシアと同じグループで、全英オープンで負けたリージージア選手との対戦があるでしょう。徐々に状態を上げていき、第1シングルスで2回くらいリベンジの機会があると思っています。
取材・写真/平野貴也