9月5日に開催された東京パラリンピック・バドミントン競技(東京・代々木競技場第一体育館)最終日は、各種目の決勝トーナメントが行なわれた。
前日は金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル3個を獲得した日本勢。競技最終日、最初の試合に登場したのは車いす・男子シングルスWH2決勝に勝ち進んだ梶原大暉(上写真)。世界ランク1位の韓国選手を相手に、梶原が第1ゲームを21-18で先制すると、第2ゲームもリードを保ちながら試合を進める。すると、最後は相手の追走を振り切って21-19で勝利。19歳の新鋭が、見事同種目の初代王者に輝いた
車いす・女子ダブルスWH決勝に挑んだのは、前日の女子シングルスWH1で金メダル、同WH2で銅メダルをそれぞれ獲得した里見紗李奈(上写真左)/山崎悠麻。中国ペアとの頂上決戦は、里見/山崎が第1ゲームを落とす展開も、第2ゲームは21-16で奪い返してファイナルゲームに突入する。中盤に6連続得点などで点差を広げた日本ペアが、そのまま押し切って21-13で勝利。強豪を下した里見/山崎が金メダルを獲得し、里見は単複2冠、山崎も2つのメダルをつかみとった。
前日の準決勝に敗れて3位決定戦にまわったのは、車いす・男子ダブルスWHの村山浩/梶原大暉。前の試合で金メダルを獲得した梶原は、村山とのダブルスでも躍動。第1ゲーム21-18で奪い相手にプレッシャーをかけると、第2ゲームも積極的に攻撃を仕掛けて20-17。終盤に相手も差をつめてきたが、なんとか耐え抜いた村山/梶原が21-19で勝利し、銅メダルを手にした。
立位クラス・混合ダブルスSL3-SU5の3位決定戦は、藤原大輔/杉野明子が銅メダルを獲得。第1ゲームの接戦を23-21で制した藤原/杉野は、続く第2ゲームもねばる相手を振り切って21-19で勝利。男子シングルスSL3で惜しくもメダルを逃していた藤原は、初のメダルを手中に。女子シングルスSU5で銅メダルを獲得していた杉野は、今大会2つ目のメダルをつかんでいる。
パラリンピックでは東京大会から競技初採用となったバドミントン。メダル量産の期待が高かった日本勢は見事その期待にこたえ、金メダル3個、銀メダル1個、銅メダル5個で計9個のメダルを獲得している。
最終日、日本選手の結果は以下の通り。
決勝トーナメント
クラス:車いす
【男子シングルス】
▼WH2/決勝
梶原大暉②〔21−18、21−19〕0●キム・ジョンジュン(韓国)49分
※梶原が金メダルを獲得
【女子ダブルス】
▼WH/決勝
里見紗李奈/山崎悠麻②〔16−21、21−16、21−13〕1●劉禹彤/尹夢璐(中国)63分
※里見/山崎が金メダルを獲得
【男子ダブルス】
▼WH/3位決定戦
村山浩/梶原大暉②〔21−18、21−19〕0●ジャカリン/ドゥムネル(タイ)37分
※村山/梶原が銅メダルを獲得
クラス:立位
▼SL3-SU5/3位決定戦
藤原大輔/杉野明子②〔23−21、21−19〕0●バーガッド/コハリ(インド)37分
※藤原/杉野が銅メダルを獲得
■クラス
WH1 車いす
WH2 車いす
SL3 立位:下肢障がい(重度)
SL4 立位:下肢障がい(軽度)
SU5 立位:上肢障がい
SH6 立位:低身長
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images