8月12日(木)に大会4日目を迎えた『富山インターハイ』。この日は、男女ともに個人シングルスが行なわれ、1回戦から準々決勝までが実施された。ここでは、高岡市武平記念体育館と高岡市ふくおか総合文化センターで実施された男子シングルスの戦いをレポートする。
【男子ダイジェスト】
団体戦の決勝を戦ったふたば未来学園(福島)と埼玉栄(埼玉)が個人戦も席巻している。シングルスではこの両校からの2人が揃って準決勝に駒を進めた。埼玉栄は、選抜王者で第1シードの森口航士朗と県2位の座を勝ち取ってきた宮下怜。ともに3年生の埼玉栄に対して、ふたば未来は齋藤駿と岩野滉也の2年生2人がベスト4入りを決めた。
もっとも危なげなく勝ち上がってきたのが齋藤だ。初戦の第2ゲームでは13-15から8ポイントを連取してすっかり勢いづいた。ベスト8に終わった選抜を「自分の持ち味を出せずに終わってしまった」と悔やみつつ、最近の変化については「リードされたり追いつかれても冷静にプレーできるようになった」という。
森口と宮下もゲームこそ落としていないが、それぞれに苦しい場面があった。森口は奥優汰(高岡第一・富山)との準々決勝、第2ゲームで一時8-14とリードを広げられ、1点差まで追い上げるも先にゲームポイントを握られた。しかしここからは選抜王者の底力を発揮。緊迫した終盤の攻防を24-22で制した。
宮下は寺内琳(開志国際・新潟)との初戦が「一番キツかった」と振り返る。第2ゲームは20-19でゲームポイントを握られる展開だった。しかしここをしのぎ、「全体的に出だしから飛ばしていけてるし、自分の武器を生かすための作戦もけっこうハマってる」と手応え十分の勝ち上がりだ。
4人の中で唯一ゲームを失ったという点でも、もっとも苦しんできたのが岩野かもしれない。まず3回戦で、関口大毅(福井工大附福井)に第2ゲームで3度ゲームポイントを握られながらも逃げ切った。選抜準優勝の田中市之介(瓊浦・長崎)との注目の準々決勝ではゲーム先取を許す。第2ゲームを奪い返してファイナルに突入するが、岩野の6-4というところで田中が途中棄権。思いがけない幕切れとなった。
森口と岩野はそれぞれダブルスでも準決勝に残っており、団体制覇した岩野には2年生ながら3冠のチャンスがある。
★男子ダブルスの結果(1回戦~準々決勝/トーナメント表)はこちら
■個人男子シングルス準決勝のカード(13日)
森口航士朗(埼玉栄・埼玉) ー 齋藤駿(ふたば未来学園・福島)
宮下怜(埼玉栄・埼玉) ー 岩野滉也(ふたば未来学園・福島)
※富山インターハイの熱戦の模様は、8月20日(金)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します!
取材・文/山口奈緒美
写真/菅原 淳