8月9日から13日にかけて、バドミントンのインターハイ(全国高校総体)が富山県の高岡市と射水市で開催。競技2日目の10日は、男女団体の準々決勝~決勝が高岡市竹平記念体育館で行なわれた。ここでは、柳井商工(山口)が春夏連覇を達成した女子団体のダイジェストをお伝えする。
【女子ダイジェスト】
女子団体準々決勝は、まず第1シードの柳井商工(山口)が、地元の富山国際大付(富山)に対して3−0と圧倒。また、第2シードのふたば未来学園(福島)も、西武台千葉(千葉)を3−0と寄せ付けずに準決勝進出を決めた。残る2つのイスには、作新学院(栃木)との死闘を制した青森山田(青森)と、接戦の末に岡崎城西(愛知)を下した倉敷中央(岡山)が座り、ベスト4の顔ぶれは選抜と同じとなった。
注目の準決勝では、先に柳井商工と青森山田が対戦。柳井商工は、強力なダブルスを誇る青森山田に対して、第1複の明地陽菜/田口真彩が大澤陽奈/遠藤心夏にファイナル17本で競り勝つと、第2複こそ落としたものの、選抜個人準Vの第1単・永田萌恵が続いて2−1。最後は第2単の水津愛美が勝利を収め、3−1で柳井商工が決勝進出を決めた。もう一方のヤマからは、ふたば未来が倉敷中央に対して3−0で勝利。ふたば未来は、1年生の山北奈緒が小野涼奈とのペアで白星を挙げたほか、第1単では石岡空来がチームの勝利を決めるなど、1年生の活躍が光った。
柳井商工対ふたば未来学園という選抜と同じカードとなった決勝戦。3面展開で行なわれたこの試合、先制したのは柳井商工だった。第1単の永田がふたば未来の1年生・須藤海妃に対して16本、9本で完勝。すると、混戦模様だったダブルスでも、第2複の水津/新見がファイナル8本で勝利して、春夏連覇に王手をかけた。しかし、ふたば未来は第1複の杉山薫/田部真唯がファイナル19オールから抜け出して、インターハイ5大会連続Vに望みをつなぐ。それでも、地力に勝る柳井商工は、同時に始まった第2・3単のうち、第3単のエース水津が石岡にストレート勝ち。柳井商工がインターハイ初優勝を達成し、選抜に続く日本一を獲得した。
大会3日目の8月11日(水)は、女子個人ダブルスの1回戦~準々決勝が富山県射水市のアルビス小杉総合体育センター、新湊アイシン軽金属スポーツセンターで行なわれる。試合開始時間は9時15分の予定。
【優勝コメント】
竹光唯至 監督
「選抜が終わってからも、夏に勝ってこそチャンピオンだと思っていましたし、選手もそれを理解してくれていました。試合が近づくにつれて、気持ちが受け身になっているのではないかと思うこともありましたけど、最後は選手が受け身に回らずに、本当に一人ひとりが頑張ってくれたと思います。メンバーなど選抜から変わった部分もありましたが、最後の最後までチーム内で切磋琢磨できたというのが、強みだったのではないかと思います」
水津愛美 主将
「今大会は、誰かのために戦おうという気持ちでやってきました。インターハイ前には先生方に練習試合を組んでいただいたり、実業団の方に相手をしてもらったりするなど、優勝できる環境を与えてもらっていました。今までの感謝を結果で示せたらいいなと思っていたので、春夏連覇はもちろんうれしいですけど、結果で恩返しができたということがすごくうれしいです」
【結果】(10日)
■準々決勝
柳井商工(山口) 3-0 富山国際大付(富山)
青森山田(青森) 3-2 作新学院(栃木)
倉敷中央(岡山) 3-2 岡崎城西(愛知)
ふたば未来学園(福島) 3-0 西武台千葉(千葉)
■準決勝
柳井商工 3-1 青森山田
明地陽菜/田口真彩②〔21-13、18-21、21-17〕1●大澤陽奈/遠藤心夏
水津愛美/新見桃芭●1〔21-19、15-21、5-21〕②広瀬未來/石川心菜
永田萌恵②〔21-17、21-18〕0●岩戸和音
水津愛美②〔21-19、21-9〕0●大澤陽奈
ふたば未来学園 3-0 倉敷中央
杉山薫/田部真唯②〔21-10、21-18〕0●中原鈴/吉川天乃
小野涼奈/山北奈緒②〔21-12、19-21、22-20〕1●森天瞳/尾﨑羽音
石岡空来②〔21-18、20-22、21-17〕1●江見日和菜
杉山薫 〔13-10 打切り〕 吉川天乃
■決勝
柳井商工 3-1 ふたば未来学園
明地陽菜/田口真彩●1〔21-15、13-21、19-21〕②杉山薫/田部真唯
水津愛美/新見桃芭②〔21-13、13-21、21-8〕1●小野涼奈/山北奈緒
永田萌恵②〔21-16、21-9〕0●須藤海妃
明地陽菜 〔17-21、17-17、打切り〕杉山薫
水津愛美②〔21-16、21-13〕0●石岡空来
★女子団体の最終結果(トーナメント表)はこちら
※富山インターハイの熱戦の模様は、8月20日(金)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します!
取材・文/吉井信行
写真/黒崎雅久