10日間にわたって開催された東京オリンピック・バドミントン競技(武蔵野の森 総合スポーツプラザ)は、8月2日の最終日・ナイトセッションで、男子シングルスの決勝&3位決定戦が行なわれた。
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決勝戦には、2016年のリオ五輪金メダリスト・諶龍(チェン・ロン/中国)と、同じく銅メダルを獲得したビクター・アクセルセン(デンマーク/上写真)が勝ち上がった。諶龍は中国の偉大な先輩である林丹(リン・ダン)に並ぶオリンピック連覇(08年北京&12年ロンドン五輪)を、アクセルセンは1996年アトランタ五輪で、デンマークのポール・エリック・ホイヤー氏(現世界バドミントン連盟会長)が優勝を成し遂げて以来となる金メダル獲得をねらって、それぞれコートに立った。
第1ゲームの立ち上がりは、積極的に攻撃を仕掛けるアクセルセンに対し、諶龍がクロスのレシーブやロブで揺さぶりミスを誘う展開。互いにペースを譲らぬまま、アクセルセンが11-9で先行しインターバルに入った。すると、インターバル明けでスピードを一気に上げたのがアクセルセン。強烈なスマッシュでプレッシャーをかけると、諶龍のレシーブの精度も少しずつ落ちていく。追い風を生かした攻撃を決めるアクセルセンが、2度の3連続得点などでリードを広げ、21-15で第1ゲームを先取した。
第2ゲームに入ると、アクセルセンが前半の勢いをポイントにつなげ5-1とリード。諶龍(上写真)もクロスレシーブで相手の強打を抑えにいくが、ネット前への素早い入りやクロスカットで対応するアクセルセンが得点を重ねる。中盤、9-7から6連続ポイントを奪い15-7としたアクセルセン。負けられない諶龍もスピードを上げてクロススマッシュを何度も打ち込むが、長いリーチを生かしたアクセルセンがことごとくレシーブ。諶龍が低いドライブ展開で仕掛けても、勢いが増すアクセルセンは止められず20-12。最後は、アクセルセンのロブを諶龍がバックアウトと判断するも、シャトルはコートの中に落ちてインの判定。この瞬間、アクセルセンの金メダルが確定。リオ五輪の銅メダルを、東京の地でもっとも輝く色に変えたアクセルセンが、念願の栄光をつかみとった。
決勝前に行なわれた3位決定戦は、インドネシアのアンソニー・S・ギンティンと、ビッグイベントでは初のベスト4入りを果たしたケビン・コルドン(グアテマラ)が対戦。積極的な攻撃で快進撃を続けてきたコルドンだったが、試合はギンティンペースで進む。
第1ゲーム21-13でギンティンが奪うと、第2ゲームもねばり強くシャトルを追いかけるコルドンを振り切って2-0で勝利。デイセッションの女子ダブルス決勝で金メダルを獲得したポリイ/ラハユに続き、ギンティンも母国にメダルをもたらした。
【男子シングルス】
▼決勝
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−15、21−12〕0●諶龍(中国)51分
▼3位決定戦
アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)②〔21−11、21−13〕0●ケビン・コルドン(グアテマラ)38分
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images