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【メダリスト記者会見-2】「僕らはまだまだ強くなれるし、まだまだ成長できる」(渡辺)

混合ダブルスで日本勢初のメダリストとなった渡辺(左)/東野。表彰式では、誇らしげな笑顔が並んだ

銅メダル獲得から一夜明けた7月31日、『メダリスト記者会見』が行なわれ、渡辺勇大/東野有紗ペアが登壇。現在の心境や、これまでの思い、そして今後についても語った。会見のコメントを2回に分けて紹介する。

記者会見-1は こちら


――試合後のインタビューで、(男子ダブルスのパートナーである)遠藤大由選手と3人で取ったメダルと話していました。あらためて、ダブルスチームの団結力や絆というものについて教えていただけますか。

渡辺 ダブルスに限らず、日本チームとしていつも切磋琢磨して練習を積めていましたし、やっぱり、近くで一緒に戦ってきた遠藤さんの力を、本当に100パーセントお借りして3位決定戦は挑んだ試合でした。3人で取った銅メダルということに関して言えば、嘘偽りのない事実だと思っています。遠藤さんがいたから、先輩がいたから、今の僕がいると思っています。

東野 本当に3人で一つで頑張っていこうと話していたので、最後、遠藤さんに声をかけてもらえた時は本当にうれしかったですし、本当に3人で取った銅メダルだと思います。

――表彰式の直後、遠藤選手が2人の元に行き、メダルを見せるシーンがありましたが、その時にどんな言葉を交わしたましたか。また、その後に遠藤選手にメダルをかけるなどしましたか?

渡辺 表彰式後、遠藤さんが近づいてきてくれて…いち早くメダルを見せたかった。まだメダルをかけてあげることはできていないですが、その時、持ってくださいというふうに言ったら、最初は「いいよ、いいよ」と遠慮してくれていたんですけど、僕がぜひ持ってほしくて、持ってもらって……。やっぱり3人で取った銅メダルだなとあらためて実感するし、これからも間違いなく、遠藤さんに教えていただいたことや、一緒に経験したものというのが、僕のバドミトン人生の中でかなり生きてくると思う。遠藤さんには感謝の気持ちでいっぱいですし、これからもたくさん、お世話になりたいと思っています。

東野 ほとんど今、勇大くんが言ってくれたんですけど、表彰式の後に遠藤さんが来てくれて、2人でメダルを見せることができたことは本当にうれしかったです。

――東野選手は、明日8月1日が25歳の誕生日です。24歳を締めくくる今の心境と、渡辺選手は、お祝いについて何か考えているか、教えてください。

東野 3位決定戦で(メダルが)決まった時は、最高の誕生日になるなと思いました。25歳も頑張っていきたいと思います。

渡辺 まだ何を渡そうかというのは決めていないのですが、あんまり僕、サプライズが得意じゃないので、先輩に何が欲しいか聞いてみて、あんまり高くないものをあげたいなと思います(笑)。

――渡辺選手は、高校の時から「ミックスならメダルを取れる」とおっしゃっていました。実際に取ったことで、どのように感じていますか。

渡辺 言ってしまった手前、実現するしかないなと思っていました。それだけ自分を信じて突き進んできたかいがありましたし、その言葉に嘘はなかったと今は少し、言えるのかなと思います。

――東野選手。抱きしめ合った瞬間の気持ちについて。

東野 組んできたこの10年間の思いをすべてのせて、抱きしめました。

試合後に喜びを分かち合った渡辺/東野

――中学時代からチームメートでありパートナーである2人。当時からのペアとしての相性のよさや、ずっと長い間一緒にいることが今回の銅メダルにつながったと感じていますか。

渡辺 僕は両方だと思っています。先輩は一つ上で、当時はあまり話したことがなくて試合の時だけという感じでしたけど、それでもかなりうまくいって、成績を残すことができた。最初から息は合っていました。ただ、それだけでは勝てなくなる時期があって。そこでしっかりとコミュニケーションを取ったり、話し合うことの大切さを教えてもらって、学んで。組んで10年経ちますが、今やっと、僕らのスタイルというものが確立されてきているのかなと感じています。でも、これに満足せずに、僕らはまだまだ強くなれるし、まだまだ成長できると思っているので、これからも2人で支え合いながら成長し続けていきたいです。

東野 中学の頃、練習もしていなかったのにすごく息が合いましたし、コンビネーションもすごくよくて。それまで話したことも全然なかったけれど、勇大くんとミックスを組んだ時はすごく楽しくて。あの瞬間のことは今でも忘れられないです。そして、勇大くんとだから長い間組んで、いろんな会話ができて、ここまでやってこられたんだと思います。

――少し気が早いですが、今後の目標について教えてください。

渡辺 僕らは常に、勝ち続けられる選手でありたいと思っています。遠い目標で言えば、パリオリンピックで金メダルというのは頭の片隅にはありますが、やはり目の前の一秒一秒がすごく大切になると思っているので、長くない競技人生、悔いのない時間を過ごすために、目の前の一試合一試合だったり、一つひとつの練習を、まずは正確にこなしていきたいです。ただ今は、ちょっとゆっくりしたいなと思っています。

東野 今回銅メダルですごく悔しい思いをしたので、パリオリンピックでは金メダルを取りたいです。勇大くんも言っていたように、一つひとつの大会、一つひとつの試合を大事に戦っていきたいです。

記者会見-1は こちら

 

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/Getty Images、JMPA

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