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【東京五輪】奥原希望、山口茜は準々決勝敗退。メダルには届かず<7日目レポート-3>

東京2020オリンピックのバドミントン競技7日目。女子シングルスの奥原希望、山口茜は準々決勝で敗れ、メダル獲得はならなかった。

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奥原は中国の何冰嬌(へ・ビンジャオ)にファイナルゲームの末に敗退。リオ五輪に続く2大会連続のメダル獲得はならなかった。過去8勝2敗と分のいい相手だったが、左利きからの攻撃を攻略できず、「守り切れなかった」と奥原。

第1ゲームは奥原、第2ゲームは何冰嬌が取って、勝負はファイナルゲームへ。序盤は奥原が持ち味のフットワークをベースにしながら、磨いてきた攻撃スタイルを発揮。10-7とリードを奪ったが、何冰嬌は角度のあるカットやスマッシュで応酬。後半は攻撃を加速させる何冰嬌を止めることができなかった。

リオ五輪での銅メダルを上回る、金メダルをめざして臨んだ東京オリンピック。メダル獲得はならなかったが、「この5年間で、プレー面で成長できたと思うし、人間的にもいろいろ考え、学んできた。リオよりも強い『奥原希望』としてコートに立てたと思う」と、やってきた過程に胸を張った。

一方、山口は2019年世界選手権女王のプサルラ・V.シンドゥ(インド)と対戦。第1ゲームを13-21で失ったあとの第2ゲーム。6-12と最大6点差をつけられる劣勢だったが、そこからスピードを上げて、プサルラのスマッシュにしぶとく食らいついて追い上げる。長いラリーを我慢し、息を上げながらシャトルに跳びついてスマッシュを決めるなど気迫のプレーを見せて、15オールまで追いつく。さらに終盤は、20-18と先にゲームポイントを握る展開に持ち込んだが、最後はプサルラの攻撃力に逆転を許した。

「ほかの日本選手が自分より先に負けてしまったということでプレッシャーや緊張があったり、昨日までのプレーだったら、全然ダメなんだろうなと考えて、心配もあった」と試合前の感情について明かした山口。その気持ちを軽くしたのは、多くの人から「自分のために頑張っておいで」と声をかけられたことだという。それが第2ゲーム中盤での、我慢のプレーへの原動力になった。

「だからこそ、それに応えられなかったのが悔しい」と、目に涙を浮かべながら語った。リオ五輪の準々決勝で奥原に敗れ、期待に応えられない悔しさを味わった。その後の5年間で「期待に応えられる喜びも知った」という山口は、その経験を経てきたからこそ、この五輪での敗戦に、5年前以上の悔しさをにじませた。

【女子シングルス】

▼準々決勝

奥原希望(日本)●1〔21−13、13−21、14−21〕②何冰嬌(中国)75分

山口茜(日本)●0〔13−21、20−22〕②プサルラ・V.シンドゥ(インド)56

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/Getty Images

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