7月28日に開催された東京オリンピック・バドミントン競技(武蔵野の森 総合スポーツプラザ)5日目は、男子シングルスの予選リーグが実施された。世界王者の桃田賢斗は予選リーグA組の最終試合に登場したが、韓国選手にまさかの敗戦。決勝トーナメント進出を逃した。ここでは、試合後の桃田のコメントを紹介する。
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■男子シングルス・予選リーグ(グループA)
結果:許侊熙(ホ・クァンヒ/韓国)に0-2で敗戦
—今日の試合はクリアーが捕まりすぎた印象があります。どう感じていましたか?
桃田 相手の強打に気持ちが押されてしまって、少しでも早く後ろに追い込みたいという気持ちから低くなってしまった。そこを相手にねらわれているとわかっていたんですけど、途中で修正するというか、高さを変えて落ちつかせるという、自分の勇気と実力がなかったかなと思います。
—その修正をできなかったのは、オリンピックという特別な舞台だから?
桃田 そうですね。負けたくない、勝ちたいという気持ちが強すぎて、空回りしてしまった部分はあると思います。
—相手にプレーを読まれているような展開が多かったと思いますが、相手の研究が進んでいると感じたことはありましたか?
桃田 読まれているというよりも、自分に余裕がなくてプレーが縮こまってしまっていました。読まれていたというよりも、そこにしか打てなかったという感じです。
—試合直後のインタビューで、「自信を持ってプレーできなかった」と話していましたが、その要因は?
桃田 途中から相手の強打に対して冷静に対応できず、気持ちが弱くなってしまっていたと思います。
—これまでの負けパターンにはまってしまったような形でした。負けパターンに対してはどのように対策をしてきて、今回はそれがうまくいかなかったのでしょうか?
桃田 ラリーを切りにくる相手に対して焦ってしまったり、自分が乱打戦につきあってしまってペースを乱される、という展開は避けようとイメージしていました。わかっていたんですけど、なんというか・・・打たれるではなくて、自信を持って打たせることができなかったというのが、自分の気持ちの弱さかなと思います。
—いろんな人が応援してくれて、苦しいときも助けてくれたと話していました。その人たちへの思いを伝えてください。
桃田 いい結果は出せなかったですけど、いろんな人のおかげで、いろんなことがあったんですけど、辛いことだったり。でもまたこうやってコートに戻ってこられて、憧れの舞台で試合をすることができました。本当にみなさんに感謝したいと思います。
—これから先のことは考えていますか?
桃田 ちょっと今は、まだ考えていません。
—短い五輪の舞台になってしまいましたが、終わった瞬間の気持ちは?
桃田 終わってしまったなと。まだオリンピックをやっていたかった、この緊張感を味わっていたかったという気持ちです。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images