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【東京五輪】日本代表会見「苦しいことから逃げずに頑張ってきた。今大会は自信を持ってプレーができる」<桃田賢斗>

7月8日、東京オリンピック(7月24日開幕/武蔵野の森 総合スポーツプラザ)に出場する日本代表選手がオンライン会見に応じ、東京オリンピック本番に向けた意気込みを語った。ここでは、男子シングルスに出場する桃田賢斗のコメントを紹介する。

――オリンピックに向けて、今の心境は

桃田 コンディションは少しずつ上がってきていると感じています。感覚もすごくいい。ネガティブに考えることは止めて、ポジティブに考えながら、これからの練習に取り組んでいきたいです。

――先日、朴柱奉(パク・ジュボン)日本代表監督のコメントで「この5年で成長した選手」に桃田選手の名前が挙がっていた。その言葉を聞いてどう思ったか? また、5年で成長できたと思う部分は?

桃田 朴柱奉監督は尊敬する方の一人ですし、そういう方からその言葉をいただけたのは本当にうれしかったです。前向きな気持ちになることができました。

自分が成長できたと思う部分はメンタル面です。試合に出られない期間から自分と向き合って、地道に練習を重ねてきました。試合に出られるようになってからも苦しいことがたくさんあったけど、そこから逃げずに頑張ってきたので、今大会は自信を持ってプレーができるのではないかと思っています。

――2016年までの自分自身のメンタルを振り返って

桃田 あの時のメンタルだったら「オリンピックの金メダルをねらいにいきます」とはいえないと思う。でも、今は覚悟を決めて、はっきり言えるので、自分と向き合って頑張った証拠になっているのかなと思います。

――5年前のリオ五輪欠場や、昨年の交通事故、そして五輪延期など、オリンピックとのめぐりあわせについて、桃田選手自身はどう思っているか

桃田 1年延期となり、(その後に)中止になるようなニュースを見た時、「自分はオリンピックに出られないのではないか」と考えたこともあります。でも、いろんな方のおかげで、試合ができる準備をしてもらっている。雑念は気にせずに、自分ができることを精一杯、表現できればいいかなと思います。

――「五輪に出られないのではないか」と思った中で、出場ができることへの感慨はありますか?

桃田 やっと出られるという気持ちはあります。前回大会に出られなかったぶん、それまで支えてくださった方々に恩返しするんだという気持ちでプレーしたいと思っています。

――全英OPで敗れた後、自身のYou Tubeチャンネルでは「追いかける側の世界ランク1位は強いぞ」と話していた。(全英が)事故後、初めての国際大会でしたが、心境面で違いがあったか

桃田 (試合)本番の緊張感を感じられたのはすごく大きかったですが、無観客というのもあって、すごく孤独感もあった。その中で集中しきれず、地に足がついていない感じがすごくあったので、(全英後は)そこを意識しながら練習にも取り組むようになりました。

――(全英での敗戦が)プレッシャーから解放される機会にもなったか

桃田 プレッシャーからは解放されないと思うし、ついてまわるものだと思います。でも、その(プレッシャーの)向き合い方は、少しずつ自分の中で変わっていると思います。

――髪色は金メダルを意識している?

桃田 そうですね。金メダルを意識しながら、自分の気分も明るくしようという意味もあります。

――たくさんの名選手が活躍してきたオリンピックの舞台は、桃田選手にとってどういうものか。また、その舞台で一番表現したいことは?

桃田 昔から出たいと思っていた大会であり、夢の舞台だと思います。また、バドミントンを始めてから、これまでいろんな方のおかげで成長できたので、“自分を成長させてくれた大会”でもあると思っています。本番では、支えてくれた方々に感謝の気持ちを持ってプレーすることが大事だと思うし、その気持ちを忘れずにいれば、おのずといいプレーができるはず。今度は支えてくれた皆さんに(恩を)返せるようなプレーを、コートの中で表現できたらと思います。

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/日本バドミントン協会提供

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