「第49回全国高校選抜大会」は、大会3日目を迎えて各種目で個人戦が始まった。27日は男女ともにダブルスが準々決勝まで、シングルスが2回戦まで行なわれ、ダブルスはベスト4が、シングルスはベスト8が決まった。ここでは、県営あづま総合体育館で行なわれた男子のダイジェストをお伝えする。
【男子ダイジェスト】
ファイナル勝負にもつれる熱戦が相次いだ男子ダブルス。その中でも、団体戦の優勝に貢献した埼玉栄の馬屋原光大郎/宮下怜は、失ゲーム0と盤石の勝ち上がり。一方、第1シードの武井凜生/小林倫太朗(ふたば未来学園)は、2回戦を2-1と苦しみながらの突破。それでも、立て直しを図った準々決勝は、1年生の衣川真生/池山蒼人(比叡山)を18本、14本に抑えて勝利。明日の準決勝では、団体戦の決勝でぶつかり合ったライバル校が再び火花を散らす。
反対の山の準決勝カードは、北信越対決となった。高岡第一の1年生ペア・大田隼也/佐々木大樹の戦いぶりは、まさには破竹の勢い。北信越予選3位ながら初戦で東海1位ペアを打ち破ると、近畿2位ペアにも快勝。そして、優勝候補の森口航士朗/野口翔平(埼玉栄)を2-1で退けた齋藤駿/崎野翔太(ふたば未来学園)との準々決勝では、2ゲームともに19本で接戦をモノにした。強敵相手にも「レシーブで引かず、前で勝負できたのがよかった」と2人。準決勝でぶつかる南茂斗羽/竹澤陽生(勝山)には北信越予選の準決勝で惜敗しているが、勝負の行方は果たして。準々決勝でV候補の一角・後藤拓人/田中孝志朗(浪岡)との激闘を2-1で制した勝山ペアは、「相手は1年生。負けるわけにはいかない」(南茂)と気合十分で挑む。
シングルスは、ふたば未来学園の武井凜生が2回戦で姿を消した。初戦で近畿1位の石神文太(東大阪大柏原)を14本、15本に抑えて調子のよさを感じさせたが、千葉倫也(聖ウルスラ学院英智)との2回戦は持ち味を発揮できず。ネット前の攻防から得点を奪えず第1ゲームを13本で失うと、第2ゲームはミスも重なり11-19。ここから意地を見せて5連続得点などで猛追したが、逆転には至らなかった。金星をつかんでベスト8入りを決めた千葉は、「自分は向かっていくだけ。相手は疲れもあったと思うけど、得意のヘアピンから上げさせる展開にできたのがよかった」と振り返った。
優勝候補の齋藤駿(ふたば未来学園)は、2-0を重ねて準々決勝に進出。同じく日本一をめざす森口航士朗(埼玉栄)と後藤拓人(浪岡)は、ともに2回戦で1ゲーム目を失いながらも逆転勝ち。それぞれダブルスで敗れた悔しさを、明日のシングルスにぶつける。
明日28日(日)は男女ダブルスの準決勝~決勝、男女シングルスの準々決勝~決勝が行なわれる。試合開始は9時の予定。
【28日の対戦カード】
男子ダブルス
▼準決勝
武井凜生/小林倫太朗(ふたば未来学園・福島) - 馬屋原光大郎/宮下怜(埼玉栄・埼玉)
大田隼也/佐々木大樹(高岡第一・富山) - 南茂斗羽/竹澤陽生(勝山・福井)
男子シングルス
▼準々決勝
齋藤駿(ふたば未来学園・福島) ― 田中市之介(瓊浦・長崎)
馬屋原光大郎(埼玉栄・埼玉) ― 増田翔(柳井商工・山口)
川島一将(高岡第一・富山) ― 後藤拓人(浪岡・青森)
千葉倫也(聖ウルスラ学院英智・宮城) ― 森口航士朗(埼玉栄・埼玉)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部 写真/井出秀人