3月21日に開催されたBWFワールドツアーヨネックス全英OP(バーミンガム/Super1000)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。日本勢は男子シングルスを除く4種目で決勝に進出。男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大が2連覇を飾ったほか、女子シングルスの奥原希望が5年ぶり2回目の優勝を達成。混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗は3年ぶりの頂点到達となった。
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第111回全英OPの最終日第1試合は男子ダブルス。前回優勝の遠藤/渡辺(上写真・左)と園田啓悟/嘉村健士の日本ペア対決は、1時間を超える熱戦となった。
第1ゲームを先制したのは遠藤/渡辺。8オールから6連続得点などで引き離すと、そのまま押し切って21-15で優勝に王手をかける。しかし、簡単には負けられない園田/嘉村も、第2ゲームはスピードを生かした攻撃でポイントを重ねて21-17。勝負の行方は最終ゲームに持ち込まれた。
第2ゲームを奪った勢いを生かしたい園田/嘉村だったが、ファイナルゲームを支配したのは遠藤/渡辺。鉄壁のレシーブから崩してポイントを積み重ねると、最後は21-11で勝利。国内のライバルを退けた遠藤/渡辺が、見事全英2連覇を達成した。
男子ダブルスに続き、日本ペア対決となった女子ダブルス。昨年の覇者である福島由紀/廣田彩花と、全英OP2回目の決勝進出となった松本麻佑(上写真・左)/永原和可那が激突した。
昨年10月のデンマークOP(Super750)、12月の全日本総合決勝では、どちらも福島/廣田が勝利を飾り優勝。3連敗は避けたい松本/永原と、全英連覇をめざす福島/廣田の戦いは序盤から拮抗した戦いに。第1ゲームは点の取り合いから福島/廣田が18-16とリード。しかし、「簡単なミスをしないように、気を抜かずプレーした」(永原)という松本/永原が、この場面から5連続得点で逆転に成功。第1ゲームを先制すると、続く第2ゲームは13オールの接戦から、再び松本/永原が抜け出し18-16。福島/廣田もねばり強く戦ったが、「(2ゲーム目の後半は)自分たちにも迷いがあってミスが増えた」と福島。最後は松本/永原が振り切り21-16で優勝。伝統の全英OPで初の頂点に立った。
2016年の全英OPで頂点に立っている女子シングルスの奥原希望(上写真・右)。5年ぶり2回目の全英制覇に向けて、タイのポンパウィ・チョチュウォンと対戦した。
第1ゲームを先制したのは奥原。出だしこそ1-4とされたが、ここから連続ポイントを重ねて21-12。一気に優勝に王手をかけると、第2ゲームもねばるポンパウィを振り切って21-16で勝利。44分で仕留めた奥原が、5年ぶりに全英の栄冠を手にした。
全英ラストマッチとなった、混合ダブルスの決勝戦。渡辺勇大/東野有紗(上写真・手前)と金子祐樹/松友美佐紀の日本人対決となった勝負は、渡辺/東野が2018年以来3年ぶりの歓喜を手にした。
渡辺/東野は第1ゲーム序盤から主導権を握ってリードを保つと、中盤以降も点差を広げたまま試合を進めて21-14。「僕らのペースにもっていけた」と渡辺が振り返るように、第2ゲームに入っても渡辺/東野が先行。途中、金子/松友に8-3から11-10まで詰められたが、後半に入ると再び渡辺/東野ペース。最後は5連続得点で引き離した渡辺/東野がそのまま押し切って勝利。渡辺は男子ダブルスに続く2冠を達成し、大会を終えている。
男子シングルスは、ビクター・アクセルセン(デンマーク)とリー・ジジャ(マレーシア・上写真)が決勝戦で激突。全英2連覇をねらったアクセルセンだったが、この連覇を阻止したのはリーだった。一進一退の攻防となった第1ゲームを30-29で制したリー。続く第2ゲームはアクセルセンが22-20で奪い返したが、最終ゲームはリーが奮起。アクセルセンが失速するのを尻目に、連続得点を重ねて最後は21-9で勝利。全英OPは初優勝。マレーシア選手としては、2017年にリー・チョンウェイが制して以来、4年ぶりにタイトルを手にしている。
決勝戦の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
リー・ジジャ(マレーシア)②〔30−29、20−22、21−9〕1●ビクター・アクセルセン(デンマーク)74分
【女子シングルス】
奥原希望②〔21−12、21−16〕0●ポンパウィ・チョチュウォン(タイ)44分
【男子ダブルス】
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−15、17−21、21−11〕1●園田啓悟/嘉村健士68分
【女子ダブルス】
松本麻佑/永原和可那②〔21−18、21−16〕0●福島由紀/廣田彩花56分
【混合ダブルス】
渡辺勇大/東野有紗②〔21−14、21−13〕0●金子祐樹/松友美佐紀40分
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO